ロシア・エルミタージュ美術館の名画85点が一堂に会する展覧会

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ロシアが誇るエルミタージュ美術館は、所蔵品の数が約310万点という質・量ともに世界屈指のミュージアム。中でもコレクションの充実している中世以降のヨーロッパ絵画のなかから、巨匠の傑作ばかりが一堂に会する展覧会が開催される。選び抜かれた珠玉の名画の数々は、美術ファンなら見逃せない。

◆エルミタージュ美術館の顔!中世以降の西洋絵画を支えた巨匠たちの傑作がずらり

六本木ヒルズの森タワー52階にある森アーツセンターギャラリーでは、2017年3月18日(土)から6月18日(日)まで、「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」を開催する。

エルミタージュ美術館は、18世紀の帝政ロシア時代に首都として栄えたサンクトペテルブルグで、当時の女帝エカテリーナ2世が手に入れた美術品をきっかけに生まれたそう。

そこから長い時間をかけて収集された膨大な美術品の中で、1万7000点にもおよぶ絵画のコレクションのなかでも、特に充実しているのがオールドマスターの作品群なんだとか。

オールドマスターというのは、16世紀のルネサンス時代、17世紀のバロック時代、18世紀のロココ時代などに活躍した巨匠たちのこと。特に今回は、出展される油彩85点すべてが常設展示というから、まさに美術館の顔ともいえる作品ばかり。

会場では、作品が国や地域別に展示されるので、ヨーロッパ絵画の流れや特徴がそれぞれよく分かるはず。



ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》1538年(C)The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18

例えばこちらは、イタリアでルネサンス時代に活躍したベネツィア派の巨匠・ティツィアーノの作品。ふっくらとした美女はいかにもベネツィア派好みだけど、羽根飾りのついた帽子はボーイッシュな印象で、モデルが男装してコスプレを楽しんでいるという説もあるそう。その時代の自由な雰囲気が伝わってくる。

◆絵画の黄金時代を迎えた17世紀のオランダ名画が充実

17世紀のオランダでは、当時、世界最大の貿易港として栄えたアムステルダムを中心に、一部の富裕層だけでなく市民たちも絵を愛好するようになって、絵画の「黄金時代」が到来。今回の展覧会でも、この時代のオランダ名画が19点も出展される充実ぶり。

神話などを描いたルネサンスの古典的な絵画と違って、親しみやすい室内画や風俗画が好まれるように。

オランダで巨匠・レンブラントに勝るとも劣らない人気を博したハルスの「手袋を持つ男の肖像」には、ちょっと口元に笑みを浮かべたような男性が描かれていて、成功した市民としての自信が垣間見える。



フランス・ハルス《手袋を持つ男の肖像》1640年頃(C)The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18

◆フランスでは17世紀の重厚なバロックから18世紀の軽快なロココへ

また、フランスでは、17世紀のドラマティックで重厚なバロック絵画から、18世紀になると軽快で優美なロココ様式が優勢に。

写真の作品はタイトルが「盗まれた接吻」となっているけれど、女性の表情にまったくシリアスな感じはなくて、イタズラっぽいしゃれた遊び心が、いかにもロココ的。



ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール《盗まれた接吻》1780年代末(C)The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18

◆ドイツの宗教改革など歴史の影響を受けた名画も

16世紀のドイツには、ルネサンス期を代表する画家であるクラーナハなどが登場。この時代にはキリスト教教会の体制が大きく変わる宗教改革が起こり、その影響を受けた作品も多く生まれたそう。

クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」にも、アダムとイブが口にして楽園(エデン)を追放される原因となったリンゴ(キリスト教の原罪のシンボル)が描かれている。

オールドマスターが活躍した時代にヨーロッパ各国が多様に変化したことを、エルミタージュ美術館の名画から読み取るのもいいかも。それぞれの作品が生まれた時代に、思いを馳せてみて。



ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》1530年頃(C)The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18

◆開催記念のスペシャルメニューも登場。美術と美味をともに満喫して

さらに、今回の展覧会にインスパイアされたスペシャルメニューも続々登場。

例えば同じ52階にある「ミュージアム カフェ&レストラン ザ サン&ザ ムーン カフェエリア ザ サン」では、ロシア発の大人気キャラクター「チェブラーシカ」をイメージした「チェブラーシカのオレンジパフェ」(1000円)を、3月18日(土)から31日(金)までの期間限定で提供。オレンジとユズのシャーベットの上にビスキュイのチェブラーシカがちょこんと乗ったパフェは、見ているだけでもかわいい!

このほかにも、六本木ヒルズ内やグランドハイアット東京内のレストランで、開催を記念したスペシャルメニューが提供されるので、美術とともに美食を楽しみたい女子は、公式HPでチェックを。



チェブラーシカのオレンジパフェ 1000円 (C)2010 CMP/CP



TEL03-5777-8600(ハローダイヤル)
東京都港区六本木6-10-1 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)
アクセス:東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口より直結、都営大江戸線「六本木駅」3出口より徒歩4分・「麻布十番駅」7出口より徒歩5分、東京メトロ南北線「麻布十番駅」4出口より徒歩8分
会期:2017年3月18日(土)〜6月18日(日)
休館日:5月15日(月)
開催時間:10:00〜20:00(火曜は17時まで、ただし5月2日は20時まで) 
※入館は閉館の30分前まで

料金(前売):一般 1600円(1400円)、大学生1300円(1100円)、中高生 800円(600円)
チェブラーシカ・コラボグッズ付チケット:ミニトート付 2500円、マクキングテープ付 2000円 ※数量限定・なくなり次第終了

NAOKO YOSHIDA (はちどり)

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