新しい治療法の開発に期待(写真はイメージ)

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治療薬で肝臓がんの原因であるC型肝炎ウイルスを体内から取り除いた後でも肝臓がんになる人がいる。名古屋市立大学と東京大学の合同チームが、がんになりやすい人の遺伝子型を突き止め、米科学誌「Gastroenterology」(電子版)の2017年2月3日号に発表した。

肝臓がんになりやすいタイプがわかれば、医師も本人も注意深く経過を見守ることで、がんの早期発見、治療につなげられるという。

C型肝炎の治療法は劇的に進歩、90%が治る

C型肝炎ウイルスの感染者は国内に100万〜150万人いるといわれ、肝臓がんの原因の約7割をC型肝炎が占める。名古屋市立大学と東京大学の発表資料によると、近年、C型肝炎の治療法は劇的に進歩し、抗ウイルス薬の組み合わせによって治癒率が90%を超えた。大半の感染者は体内からウイルスを排除できるようになったが、排除後も肝臓がんになる人が数%おり、なりやすい人を見分けるのが課題となっている。

研究チームは、治療薬によってウイルスを排除できた計943人の血液などを全国44病院から集め、遺伝子解析をした。その結果、「TLL1」(トロイド様遺伝子1)という遺伝子が、肝臓がんの発生にかかわっていることがわかった。その遺伝子の型の違いによって、がんになるリスクの差が約2倍あった。

研究チームは発表資料の中で「TLL1の遺伝子型を測定することによって、肝臓がんのリスクの高い患者を絞り込むことができます。また、B型肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎、糖尿病などを原因とする肝臓がん全体の発がんのメカニズムの解明と新しい治療法の開発も期待できます」とコメントしている。