ウォルマートがJD.com株を買い増し続ける理由

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米小売大手のウォルマートは2月3日、通常の取引時間が終了した後に米証券取引委員会にスケジュール13G(証券保有者報告書に含められる情報)を提出した。同書には、中国のEコマース大手JD.com(京東商城)とアリババの保有株式を増やし、JD.comに関しては全体の12.1%(2億8,910万株)になったことが示されている。

ウォルマートは2016年10月5日にも、JD.comの保有株式を5.9%から10.8%へとほぼ倍増させたというスケジュール13Gを提出していた。遡ること2016年6月、ウォルマートはJD.comに中国で展開していたEコマース事業を売却し、引き換えに5.9%の株式を受け取っていた。

つまりウォルマートは7か月の間に、中国2位となるEC大手の保有株式を5.9%から12.1%に増やしたということだ。

中国経済については常に「崖から落ちる寸前の状態」「企業の発表する数字は不正やごまかしがある」「経済データは操作されている」などの声がある。だがウォルマートが急速に保有株式を増やした理由は金銭的メリットにある。

それに中国経済の各種指標を見ると、ドナルド・トランプが選挙で勝利してからは彼の貿易や関税に関する厳しい姿勢に影響を受けてはいるものの、ここ半年ほどおおむね安定を維持していることが見てとれる。

JD.comが事業の大部分を中国国内で展開していることを考えると、トランプ大統領が対中国貿易や関税を問題にしたとしても、同社への影響は最小限にとどまるだろう。

それに欧米の多くの投資家は知らないかもしれないが、中国はインフレ率が2%未満にとどまる一方で賃金上昇率は8〜9%を維持している。これは素晴らしいことだ。賃金の上昇は、可処分所得の増加を意味しており、所得の増加は支出の増加を意味する。つまり中国のGDP(国内総生産)は文句なしの最速ペースで成長することになっているのだ。

この状況を見て、あなたが投資家ならばどうするだろうか。ウォルマートのようにJD.comに投資を行うだろうか。それとも、壊れたレコードのように繰り返される否定的な見方や批判的なコメントに耳を傾け続けるだろうか?

JD.comの決算発表は3月第1週に予定されており、その内容はアリババが既に行った決算発表の内容と同じくらい好調なものになると見込まれている。

JD.comの株は3日、通常の取引時間を終えた時点で前日比0.15ドル(約17円)増の28.32ドル(約3,185円)でひけた。この時点で、ウォルマートが保有するJD.comの株式12.1%の価値は48億7,000万ドル(約5,477億円)。これはかなりの金額ではないだろうか?

批判論者たちがいかに偏った解釈をしようと、これは無視できない金額だ(2016年6月にウォルマートが最初に株式を受け取った時にはJDの株価は1株当たり21ドル=約2,360円未満だった)。賢い投資家ならば、この数字をどう解釈すべきかは分かっているだろう。