移民問題、戦争、愛。リアルをファッションに。デザイナーに注目する理由がそこにある

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グリッティがハイブランドのデザイナーに注目する理由。

クリエイターは世のなかのムードを察知し、表現する人たち

それは、デザイナーはクリエイターであり、クリエイターは世のなかのムードを敏感に察知して表現する人たちだと捉えているから。

ハイブランドのデザイナーともなれば、クリエイターのなかでも感度のやセンスの高さは相当のもの。いまの時代のムードを嗅ぎ取るのはもちろん、次の時代の空気をリードするのも彼ら。

社会情勢からストリートカルチャーまでを読み取りアウトプットしていくデザイナーは無視できない存在です。

そんななか、ファッションは単に装飾の領域を超えて、いまやコミュニケーションツールといえるほど、メッセージ性が強くなってきています。それは男女関わらず。

バレンシアガが、民主党候補サンダースのモチーフあしらったストールを発表

たとえば、パリの2017年秋冬の「Balenciaga(バレンシアガ)」のコレクション。

「Balenciaga」と大きな文字が書かれたストールのデザインモチーフは、昨年のアメリカ大統領戦の民主党候補だったバーニー・サンダースのキャンペーンで使われていたもの。

民主党候補戦では、ヒラリーに敗れたサンダースですが、若い層から圧倒的な支持を集めていました。その支持がまだ残っているのが伝わってきます。

いま、バレンシアガのアーティスティック・ディレクターを務めているのは、Demna Gvasalia(デムナ・ヴァザリア)。

自身のブランド「VETEMENTS(ヴェトモン)」を立ち上げ、若者から圧倒的に支持されています。そもそも彼のインスピレーションの源としているのは、彼がクールだと感じる友人たち。つまり、若者のリアルを服へ転換しているということ。

そんなデムナが表現した、バレンシアガのコレクション。トランプでもなく、ヒラリーでもなく、サンダースだ、という強いメッセージを感じました。

移民であることをレタードファッションで発信したデザイナー

そして、始まったばかりのニューヨークファッションウィークで、自身がレタードファッションに身を包んで登場したのが、Robert Geller(ロバート ゲラー)。

コレクションの最後に登場した彼のTシャツには誰もが読み取れる文字で「IMMIGRANT」と書かれてありました。

彼は、ドイツ出身のドイツ人であり、ニューヨークでは移民です。トランプによるイスラム教圏の入国禁止令の対象者ではありませんが、移民であるというアイデンティティの発信をニューヨークコレクションで行うことには大きな意義があります。

コレクションでは、こんなレタードファッションも披露しています。

20170206_fashion_03.jpg上下さかさまにデザインした「WAR(戦争)」の文字。戦争反対のメッセージです。

世界のムードを誰よりも敏感に嗅ぎ取るデザイナーたちが、いまどんな状況で、どんな未来を描いているのか。そんなことを気づかせてくれる最先端のファッション。

2017年2月9日(現地時間)から始まる女性のNew York Fashion Weekから発信されるメッセージにも注目です。

[Balenciaga, ROBERT GELLER, CRFASHIONBOOK]

文/グリッティ編集部・篠田

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