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名古屋大学(名大)は、これまでの研究からは逆の結果が多く締められているにも関わらず、「成果に応じた報酬が自発的な意欲を高める」という強い信念を多くの人が有しており、世間的には報酬の効果に関する誤解が根深いことを明らかにしたと発表した。

同成果は、同大大学院環境学研究科の北神慎司 準教授、University of Reading/高知工科大学の村山航 準教授、同志社大学の田中あゆみ 教授らによるもの。詳細は科学誌「Motivation Science」に掲載された。

一般的に、意欲ややる気などとされる「動機づけ」には、報酬や罰などの「外発的動機づけ」と、好奇心や関心などの「内発的動機づけ」の2種類があることが知られており、これまでの研究から、勉強や仕事の場面では内発的動機づけが重要であることが示されてきたほか、内発的動機づけによる行為の継続に対し、成績に応じた報酬(外発的動機づけ)が与えられると、意欲はむしろ下がる、ということも示されている。

こうした現象は「アンダーマイニング効果」と呼ばれるが、仕事などにおいては、相変わらず成果に応じてボーナスや昇進などの報酬が与えられており、こうした成果が活用されていないことが多く、研究グループでは今回、報酬の効果に関する世間の誤解の原因についての実験を行ったという。

実験は、259名の日本人大学生(男性97名、女性162名。平均年齢18.4歳)と153名の米国人成人(男性95名、女性58名、平均年齢33.9歳)を対象に、アンダーマイニング効果が示された研究に関する文章を読ませた後、報酬をもらう外発的動機づけに対する信頼度、無報酬の内発的動機づけに対する信頼度を調査。その結果、日米ともに報酬の効果は持続的にプラスに働くと考えている人が多かったほか、その選択に対する自信の度合いが高いことが示されたという。

この結果は、報酬の効果について正しい知識を持たない人の方が、回答に対する自信を持っていることを示すものであり、研究グループでは、誤った理解でも、それが正しいという強い信念を持っていることが明らかになったと説明している。そのため、勉強や仕事の成果を高めるためには、まずこうした社会に根強く浸透している報酬の効果に関する誤解を取り払い、正しい知識を身に付けることが必須であると指摘しているほか、内発的動機づけを高めるような工夫を導入することが重要になるとコメントしている。

(小林行雄)