北海道の釧路本線から見える知床斜里駅。参考写真(flickr)

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 旧正月の休暇期間、中国人旅行客にとって人気の高いのは日本の北海道だ。しかし、彼らのルールを守らない行動に、地元住民たちは迷惑している。悪評は本土へも伝わり、恥ずかしいとの声があがっている。「マナーの悪い人物は(渡航禁止の)ブラックリストにいれるべきだ」などの強硬意見も飛び交う。このルールを守らず、地域の配慮ができない横暴な今日の中国人の態度は、中国共産党による伝統的価値観の崩壊に起因する。

 2月3日に日本テレビの情報番組「スッキリ!」が伝えたところによると、中国の人気ドラマ「恋愛中的城市」のロケ地となった北海道・JR函館本線の無人駅・朝里駅では、毎日多くの中国人旅行客が来訪する。番組では「地元住民は大迷惑」と、非常識な中国人旅行客の行動を報じた。例えば、同線は線路への不法侵入で、2017年に入り、すでに6回、緊急停止した。駅員らが立ち退くようにとの忠告もなかなか聞き入れないという。また、旅行客の子供が現地のポストに雪を押し込みいたずらするのを、親たちは注意せず、その様子を記念写真に収めるほどだ。

迷惑行為、横暴な態度…なぜ中国人は道徳観が低下したのか

 訪日した中国人旅行客の一部の行動から見て取れるように、今日の中国人の粗暴なふるまいは道徳観の低さに起因する。そこには、中国社会全体にしみ込んだ、共産党の改革による伝統価値の崩壊にあると考えられている。

 大紀元の時事評論員・章天亮氏は、「中国共産党政権は、無神論社会だ。国が法律を制定する時、(神との誓約に)根付いた誠実さがない。中国は人の力で統治され、ルールは瞬く間に破壊される。だから、中国人はルールを守ることは、損をしていると感じている」とルールを無視する中国人について解説する。

 中国では、法律や憲法さえ、ほとんど意味をなさない。司法よりも共産党の党規が優先され、これらはしばしば変更される。法律は、権力のない社会的弱者など下層部の人間の訴えとして認知されているだけで、各地域ごとの共産党幹部が不法な「法律」で統治する例は少なくない。「違憲」であることさえ、訴えても裁判所は公正な判断を下さない。

迷文「カネ持ち爺さん」カネがあれば何でも作れる

 

北海道・JR函館本線の無人駅「朝里駅」(wikimedia)
 

 ネットではこのような「迷」文が転載されている。「私はカネ持ち爺さんだ。カネをあげるから、お前は私に服従しなければならないぞ、カネさえあれば、何でも作り出せるのだ」。このカネ持ち爺さんは、ただの資本家ではなく、権力の下で不正な財を築き続けて横暴な統治をおこなう共産党の腐敗官僚を指すと考えられる。

 共産党による「階級闘争」「文化の革命」「反保守」により、5千年以上の歴史を誇った中国伝統の礼儀や道徳、信条などは「封建思想だ」として、政権の指導で捨て去られた。伝統的価値観から「開放」させ、他より抜きんでて富を得ることこそ「勝利」であり、社会的に他人との競争を煽動する傾向にあった。

 元国家主席・江沢民政権時代、国の道徳滑落はさらに深刻化した。江沢民の政治理念「声をたてずに財を得る(悶聲不響發大財)」で経済の不透明化・不正蓄財を容認し、そこで生まれた腐敗官僚は、不正取引情報を江沢民側が握ることで、腐敗を黙認する代わりに自身に従わせる「貪腐治国」を行った。

 国の統領は、高い道徳性でもって国を治めるべきだが、中国共産党政権により、トップダウンで腐敗が蔓延していった。

 自由と良識を取り戻すために、中国人もまた共産党の抑圧に反発していた。象徴的なのは1989年の六四天安門事件だが、共産党は戦車や銃など武力を投じて、丸腰の市民を鎮圧した。「結局、中国で生き残るにはカネを手にすることでしかないのか」。絶望する中国人が希望を見いだすには、目に見える「カネ」「権力」の力は分かりやすい。専制政治による抑圧のなかでは、選択肢も限られている。逃亡か、不正に加担するか―。

 米国の政治評論家・曹長青氏は、「どうしたら中国社会は変化させられるか。(共産党の独裁)制度、文化、人、3つの方面からの悪循環を断ち切らなければならない。中国伝統文化を復興させて、少しずつでも内面からの善良さを回復できれば、文化は変わる。それが中国人に期待されることだろう」。

(翻訳編集・佐渡 道世)