視線追跡機能付きVRヘッドセット「FOVE 0」実機レビュー

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2年前、Kickstarterで出資募集していた視線追跡(アイトラッキング)機能を持ったVRヘッドセット、FOVEが届きました。

VRヘッドセットはすでにOculus RiftやHTC Vive、そしてPlayStation VRなどが販売されていますが、FOVEは家庭用としては視線追跡機能を搭載した世界初のヘッドマウントディスプレイとなります。

そんなFOVEを外観と現在利用できるコンテンツを中心にレビューしたいと思います。

視線を読むVRヘッドセットFOVEは早い者勝ち349ドルから。Kickstarterで開発者版の出資募集開始

外観

今回届いたFOVEは限定生産の黒バージョンです。開発初期のプロトタイプとは外観が変わり、ちょっとSFっぽさが減ってしまいました。

▲形状としてはOculus RiftやHTC Viveと同じ感じのVRヘッドセットです。

▲後ろにあるベルトを絞めて固定します。


PCへの接続はHDMIとUSBが2つ。USBのうち1つはUSB 3.0に接続する必要があります。 最近のVR ReadyなPCなら問題ないと思いますが注意点の1つです。


▲ケーブル長さは約2m。Oculus Riftが4m、HTC Viveが5mということなのでちょっと短いですね。

▲残念なことにゴーグルの開口がかなり狭く、メガネのまま装着するのは難しいです。

▲ポジショントラッキング用のカメラも同梱されています。

セットアップ

セットアップに必要なソフトは公式サイトからダウンロードします。セットアップが完了すると通知領域に「FOVE VR」というのが常駐しているはずです。見当たらない場合は、スタートメニューから「FOVE VR」を起動します。

▲セットアップはウィザード形式なので詰まることはないと思います。

▲通知領域にFOVE VRがあればOK。設定ツールなどもここから起動します。

ポジショントラッキング用のカメラもPCとはUSBで接続しますが、ポジショントラッキングを使えるアプリが現状ないのでとりあえずは繋がなくても大丈夫です。

▲カメラとFOVEは3m離せとマニュアルには書いてありますが、FOVEのケーブルは2mしかないのが悩ましい......。

まず最初に視線追跡のためのキャリブレーションを行います。画面内に緑の点が表示されているので、それを目で追いかけ続けます。

▲ヘッドセットの中を無理やり撮影。緑色の点に視線を合わせ続けます。

先に書いた通りメガネのまま装着することは困難で、たとえ装着できたとしても、視線追跡の精度が極端に落ちます。キャリブレーションも行えないので、実質メガネでは利用不可と思ったほうがいいです。残念ながらFOVE側に焦点の調整機能などもなく、メガネの人はコンタクトレンズに変更する必要がありそうです。

▲設定ツールを起動しておくと、視線追跡機能が目をどのように捉えているのかがわかります(ヘッドセットを被っているので自分では見れないですけど)。


デモコンテンツをプレイ


FOVEはHTC Viveと同様にSteamVRに対応しており、Steam上の対応コンテンツをプレイすることが可能です。ただ、現在はSteamVR対応はベータ版という扱いになっており、公式サイトにある専用フォームから登録してSteamVRのアクセスキーを入手する必要があります。

▲ベータテストに参加するとSteamVR対応のゲームがプレイ可能。ただし、専用のモーションコントローラがないのでモーションコントローラが必須なものはプレイできません。

今回は、7月31日までの期間限定で配信されているソードアート・オンラインとコラボしたDemo Launcherを試してみました。というか、自前で動作するアプリを製作するか、SteamVRのベータテストに参加する以外では、これが現在公式に利用できる唯一のコンテンツとなっています。

▲Demo LauncherはFOVE公式サイトからダウンロード可能。なお、期間終了後は、アスナは登場しないものの、通常のDemo Launcherとして利用できるそうです。

Demo Launcherを起動すると、ワイヤーフレームが表示されますが、何やらエラーが発生します。そこで、再起動をかけるので3秒間目をつぶるように指示されます。

▲起動直後になにやらエラーが。

この時、目をつぶらないと早く目を閉じるようにとの追加の指示がきます。視線追跡を使って目を開けているのか閉じているのかを検出しているのですね。

指示通りに3秒間目を閉じると、目の前にソードアートオンラインのアスナが現れます。

この空間がコンテンツランチャーになっており、視線を使ってデモコンテンツを選んだり、アスナと見つめあったりできます。

従来のVRヘッドセットでは、頭を動かして画面の中央に合わせることでメニューを選んだりしていましたが、FOVEでは視線追跡を使って画面の端をチラ見するような感じでも選択が可能です。

▲視線でコンテンツに合わせ、キーボードのスぺースキー(もしくはゲームパッドのAボタン)を押すと決定となります。

▲プレイできるデモコンテンツの1つ「Judgment」。テロリストに捕まってしまい尋問を受けるという内容。視線をどこに合わせるかで展開が変化していきます。


視線追跡はVRの可能性を広げそう


先に書いたように、これまでのVRヘッドセットでは画面の中央に選択するものを合わせる必要があるため、頭を大きく動かさなければならず、いわゆるVR酔いの原因ともなっていました。しかし、視線追跡を使えば頭を動かさずに画面内のものを選択することができ、この問題は解決できそうです。

まだ出荷が始まったばかりで視線追跡に対応しているコンテンツは少ないですが、今後、例えば視線で敵機をロックオンするシューティングゲームのようなものも登場が期待できます。実際、そのようなシューティングゲームは開発段階では作られており、バンドルされるという話もあったのですが、現在までにリリースはされていません。

【動画】視線追跡機能付きVRヘッドセット FOVE 体験、担当者インタビュー。Kickstarterまもなく終了

世に出たばかりでまだまだこれからという段階ですが、ゲーム内のキャラクターと目を合わせたり、視線を使って操作するというのはなかなか新鮮な体験で、視線追跡はVRの可能性を大きく広げる力を秘めていると感じました。

そんな「FOVE 0」は現在公式サイトから$599(約6万7000円)で購入可能です。