6日、韓国メディアが「釜山日本総領事館前の慰安婦少女像は国際法違反なのか」と題する記事を掲載し、韓国のネットユーザーの間で注目を集めている。写真はソウルの慰安婦像。

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2017年2月6日、韓国日報が「釜山日本総領事館前の慰安婦少女像は国際法違反なのか」と題する記事を掲載し、韓国のネットユーザーの間で注目を集めている。

日本政府が釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として、先月9日に駐韓大使を一時帰国させてから約1カ月が過ぎ、駐韓日本大使の不在期間の最長記録が更新されるなど、日韓間の対立が長期化している。

記事によると、日本が慰安婦像の設置に関して強硬な姿勢を維持する理由は「公館前の慰安婦像設置は、外国公館の安寧と尊厳を守るよう定めた国際法に違反している」と判断しているためだ。外交的な対立に発展しても、日本は優位な立場に立てると考えている。また、韓国外交部も「公館前の造形物設置は望ましくない」との考えを明らかにするなど、受け身な態度を示している。

しかし、韓国の専門家の間では、日本の国際法違反の主張は「根拠が弱い」と指摘する声が出ているという。一部では「韓国が国際司法裁判所への付託を提案し、主導権を握るべき」との主張も出ている。

日本が慰安婦像撤去の根拠として挙げている国際法は、1961年に採択された「ウィーン条約22条2項」の「いかなる侵入や損壊に対しても、公館地域を保護し、公館の安寧の妨害、威厳の侵害を防止するためにすべての適切な措置を執る特別の義務を有する」という条項。同条項は国家間の平和・友好関係に必須の外交・領事活動を保障し、大使館・領事館に対する暴力行為を防止する趣旨であり、1996年7月の駐日韓国大使館正門への車突進事件や2012年7月の駐韓日本大使館正門へのトラック突進事故などがウィーン条約に違反した代表的な例だ。

しかし、集会やデモ、暴力行使などによる妨害行為ではなく、造形物の設置が同条項違反に当たるかについては明確な国際法上の判例がない。峨山政策研究院のイ・キボム研究委員は「造形物の設置に関しては判例がないため現時点では明確な答えがない」とし、「国際司法裁判所に付託したとしても、国際法違反と結論付けられる可能性はほぼない」と指摘。慰安婦像が公館の安寧を妨害するとは言えず、仮に公館の威厳を侵害するとしても、すべての適切な措置を執らなかったことへの責任を問える根拠が明確でないという。“すべての適切な措置”は公館の威厳侵害レベルに応じてその程度が変わるが、日本の国旗などが燃やされることと比べると、慰安婦像の設置は義務の程度が小さいと説明している。

イ研究委員は「日本の政治家の“国際法違反”主張は国際法上の根拠が足りない政治・外交的な修辞に過ぎないため、韓国はむしろ、国際法と普遍的な人権の観点から積極的に対応するべきだ」と主張している。

この記事には韓国のネットユーザーから多数のコメントが寄せられ、「何も言えない無能な韓国政府にも問題がある」「国際法?効力や強制力はあるの?無視すればいいのでは?」「韓国の主権で管理、保護されている韓国の土地ということを忘れてはならない」「日本大使がいなくても何の問題もないけど?」「慰安婦合意の内容をすべて公開して。なぜ被害者である韓国政府が日本に何も言えないのか確かめる必要がある」などが多くの共感を得た。

その他、「慰安婦像は日本を批判する目的で設置されたのだから、威厳を侵害する行為と言える。恥ずかしい」「慰安像を設置しても、問題が大きくなるだけで何の解決にもならない。この国が嫌いになりそう」「日本が嫌と言っているのだからやめてあげたら?」などの声もみられた。(翻訳・編集/堂本)