米国の市場調査会社IDCがこのほど公表したタブレット端末市場に関するリポートによると、昨年(2016年)10〜12月期における世界出荷台数(速報値)は5290万台で、1年前から20.1%減少した。

 タブレットの四半期出荷台数はこれで9四半期連続の前年割れとなった。また昨年の年間出荷台数は1億7480万台で、前年から15.6%減少。2年連続で前年実績を下回った。

 IDCで市場調査を担当するライアン・リース氏によると、メーカー各社は自社の将来製品の展開について多く語るが、実際のところタブレット市場に対し人々は新鮮味を感じなくなっているという。

アップルは12四半期連続前年割れ

 昨年10〜12月期の出荷台数をメーカー別に見ると、米アップルが1310万台を出荷し、メーカー別ランキングで首位を維持したものの、同社の台数は1年前から18.8%減少した。

 今回のリポートに先立つ1月31日、アップルは昨年10〜12月期の決算を発表したが、このとき同社が公表した「iPad」の同四半期における販売台数は1308万1000万台で、1年前から19%減少した。

 iPadの四半期販売台数は2010年5月の初代機発売以降しばらく順調に伸びていたが、2013年10〜12月期の2604万台をピークに減少に転じ、以降12四半期連続で前年実績を下回っている。

「アップルは依然この市場で業界トップの座を維持している。しかし市場規模が縮小する中、同社もその影響を受けざるを得ない状況だ」と、IDCは指摘している。

「スレート型」は世界的に減少

 なおIDCはタブレット市場を「スレート型」と呼ぶ従来型端末と、着脱式キーボードが用意されている「デタッチャブル型」の2つのカテゴリーに分けて分析している。

 このうち前者のスレート型は世界的に減少が続いており、今後成長が見込めるのは「中東およびアフリカ地域」や「中・東欧」などの一部の新興国市場のみ。

 しかしこれらの市場で主流となるのは簡素で低価格の端末であり、メーカーにとっては大きな収益が見込めない分野だとIDCは指摘している。

iPad Pro」などのデタッチャブル型が苦戦

 これに対し、デタッチャブル型は、消費者や企業がプロダクティビティ(生産性)用途の端末やOS(基本ソフト)を求めており、販売が好調と言われきた。しかしIDCによると昨年10〜12月期は、米マイクロソフトの「Surface Pro」やアップルの「iPad Pro」の現行製品に新鮮味が感じられなくなり、これらデタッチャブル型は勢いを維持するのに苦戦したという。

 IDCによると市場は依然これら1台2役型のタブレットに好意的。しかしパソコンの分野では、キーボードが回転/スライドするなどしタブレットとしても使えるコンバーティブル型ノートパソコンがあり、デタッチャブル型タブレットとの間で顧客を奪い合っているという。

 最近は性能や価格の面で両者の差が縮まり始めており、これによりタブレット市場の成長は引き続き抑制される可能性があるとIDCは指摘している。

 なお、昨年10〜12月期の出荷台数でアップルに次いだのは韓国サムスン電子。その台数は800万台だったが、同社も1年前から11.4%減と台数を減らした。

 このほかのメーカーの出荷台数は、米アマゾン・ドットコムが520万台で、1年前から0.6%減少。一方で中国レノボ・グループ(聯想集団)は370万台で同14.8%増加、中国ファーウェイ(華為技術)は320万台で同43.5%増加した。

筆者:小久保 重信