青森山田の主将、住永(7番)は攻守に安定したパフォーマンスを披露。選手権後の英国遠征で大きな刺激を受けたようだ。写真:松尾祐希

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 4月のデュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に出場する日本高校サッカー選抜が、静岡県内で2月5日から7日まで選考会を行なっている。
 
 今回のセレクションはGK廣末陸(青森山田→FC東京/3年)、MF松本泰志(昌平→サンフレッチェ広島/3年)、MF 大山武蔵(札幌大谷→セレッソ大阪/3年)がJ各クラブのキャンプに、DF杉山弾斗(市立船橋/2年)、FW安藤瑞季(長崎総科大附/2年)、DF阿部海大(東福岡/2年)が、U-18日本代表のスペイン遠征に参加するため未招集となった。さらにGK山ノ井拓己(静岡学園→アビスパ福岡/3年)がチーム事情で不参加となったほか、数名の選手が負傷などで辞退。当初の予定よりも大幅に少ない21名でスタートした(6日の練習試合は負傷者の影響で19名のみ出場)。1月の高校サッカー選手権で青森山田の優勝に貢献したMF住永翔(3年)やFW鳴海彰人(3年)、同準優勝に輝いた前橋育英のMF大塚諒(3年)らが、生き残りを掛けた合宿に臨んだ。
 
 今回の選考会のキーワードは、世界基準の守備である。チームを率いる青森山田の黒田剛監督は大会で優勝を狙うのであれば、「堅守速攻は間違いなくやらないといけないし、相手にクロスを上げさせないような戦いをやっていかないといけない。あとは(海外の相手は)ミドルシュートのレンジがかなり広い。なので、いまみたいにラインが下がっていると厳しい」と語る。選手たちには大会を想定したプレーを要求しており、そこに応えられるかどうかが、ひとつのモノサシとなった。

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 唯一の対外試合となった5日の練習試合(桐蔭横浜大との30分×3本ゲーム)でも、指揮官の考えは一貫していた。
 
「海外の相手とやった時に(サイドの高い位置で)持たせたら、大きな選手を目掛けてどんどんボールを入れられてしまう。そこまでボールを持ち込ませないようにするために前でプレスを掛けさせた」
 
 この黒田監督の言葉通り、サイドハーフに入ったMF鳥海芳樹(桐光学園/3年)とMF飯島陸(前橋育英/2年)がSBと連携しながら臆することなくプレスバック。そこを起点に幾度もボールを奪い、スムーズに攻撃へと繋げていった。得点は1本目こそ奪えなかったが、2本目の開始4分に積極性が功を奏し、鳥海が先制弾。直後に1点を返されたが、7分に再び桐光学園の10番が加点し、11分にはFW町野修斗(履正社/3年)もネットを揺らした。3本目は運動量が低下しこともあって4失点を喫したが、黒田監督の狙いに応える選手が少なからず出てきたのは、ひとつの収穫となった。
 
 今回の合宿に参加したメンバーに、U-18日本代表組とJキャンプ組の6名を選考に加えた上で、最終候補者21名が選定される。その面々が18日のNEXT GENERATION MATCHに挑む。XEROX SUPER CUPの前座試合で、U-18 Jリーグ選抜と戦う恒例の一戦だ。
 
 その選考に関して黒田監督は「U-18の代表組やJのキャンプに参加している選手たちの動向次第で流動的になる。ただ、今回の合宿から5人か6人は落とすことになるとは思う」と話し、「自分も今回の合宿でほぼ初めて選手を見た。出来る選手と出来ない選手、言われたことを即座にやれる選手とやれない選手。小さいけど球際に行ける、大きいけど行けない選手が見えてきた」と、ある程度の見極めは完了したようだった。
 
 はたして、どのような答が待っているのか。本大会のために用意された18の椅子を懸けて、精鋭たちがラストサバイバルに挑む。
 
取材・文・写真:松尾祐希(サッカーライター)