<ケンブリッジ大学の研究によると、子供は兄弟姉妹よりもペットとの付き合いのほうが、満足感を得ていることがが明らかになったという...>

一般社団法人ペットフード協会によると、日本で飼育されている犬および猫の数は、2016年10月時点で推計1,972万頭。また、博報堂生活研究所の生活者に関する調査レポート『生活定点』(2016年)によると、「ペットも家族の一員だと思う」と回答した人の割合は、全体の54.5%を占めている。

このように、日本でも、犬猫に代表されるペットは、家族同然の極めて身近な存在だが、とりわけ子どもとペットとの絆は、実際、どのくらい強いのだろうか。

英ケンブリッジ大学家族研究センターのクレア・ヒューズ博士を中心とする研究チームは、ペットの栄養について研究するウォルサム研究所や経済学・社会科学の助成機関である経済・社会研究会議(ESRC)と共同で、このテーマに関する研究論文を『応用発達心理学ジャーナル(Journal of Applied Developmental Psychology)』に発表した。

この研究では、1頭以上のペットと兄弟姉妹のいずれかが1人以上がいる英国77世帯の12歳児を調査。その結果、兄弟姉妹よりもペットとの付き合いのほうが、充足感が高く、軋轢が少ないことが明らかになった。この背景について、ヒューズ博士は「ペットは、ヒトの言葉を完全に理解したり、言葉を話すことができない。それゆえ、ペットは中立的な存在となっており、子どもに高い充足感を与えているのではないか」と分析している。ペットなら、一方的に決めつけたり、批判したり、異を唱えたり、内緒話を漏らしたりすることもないというわけだ。

この調査結果によると、特に犬との関係は、他のペットに比べて充足感が高く、軋轢の程度も低いそう。また、女児のほうが、男児に比べて、ペットとの絆が強いが、衝突も多いことが示された。女児のほうが、ペットとより親密に関わるためではないかとみられている。

血縁でつながった兄弟姉妹よりもペットとの絆のほうが強いのならば、動物は、子どもの健全な成長に、何らかの影響を及ぼしうる存在なのかもしれない。たとえば、米オレゴン州立大学の研究論文では「子犬の世話をする子どもはソーシャルスキルが伸びる」とされている。このほか、子どもの成長において、ペットは長期的にどのような影響を与えているのだろうか。まだ科学的に解明できる余地がありそうだ。

松岡由希子