緊急出産に立ち会った消防士、誕生した女児を引き取る(出典:http://www.mirror.co.uk)

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「血は水よりも濃い」というが、時にそれが逆になるケースがあることを実感させられるような心温まるニュースが英紙『Mirror』などで伝えられた。2011年、米サウスカロライナ州のある消防士が緊急出産に立ち会い、誕生した女児を養子として迎えたのだ。消防士と彼の家族、そして彼らを支えたコミュニティによって現在、女児はとても幸せに暮らしているという。

2011年11月のある日、サウスカロライナ州マートルビーチで勤務にあたっていた消防士のマーク・ハッデンさんは夜遅くに緊急コールを受け、ある女性がまさに出産しようとしている現場に立ち会った。病院へ連れて行く時間がないと悟ったマークさんは、その場で女性の子供を取り上げた。

しかし女性は、その子を養子縁組に出すつもりで手続きをしていたという。それを知ったマークさんは妻ベスさんに相談することにした。そして48時間以内に必要書類に記入し、その女児を引き取ったのだ。

ベスさんは当時、『WMBF News』のインタビューで「主人は『赤ちゃんを取り上げたんだ』と興奮気味に電話をかけてきました。でもそれがまさか私たちの人生を大きく変える出来事になるとは予想もしていませんでした」と話している。

マークさんとベスさんには、すでにウィル君とパーカー君という2人の息子がいた。「もっと子供がほしい」と望んでいた夫妻だったが、ベスさんは2人目の子供を出産した時に医師から「これ以上、子供を持つことは無理でしょう」と言われていたそうだ。よってマークさんが職務上で出会った産まれたばかりの女児を養子にできたことは、夫妻にとって大きな幸せとなった。

しかも女児を引き取ったハッデンさん一家に、周りの人たちは協力を惜しまなかった。マークさんの家を増築して4つめのベッドルームを作ることを地元の建築業者が申し出てくれたりと、家族やコミュニティ全体で“グレース”と名付けられた赤ちゃんを歓迎したのである。

そんなグレースちゃんも、今では5歳になった。マークさん曰く「かなりのパパっ子」で、アメリカで人気のファストフード店「Chick-fil-A」でデートをするのが何よりの楽しみとなっているそうだ。「今じゃ、私たちはすっかり親友同士ですよ」とマークさんの顔は緩みっ放しだ。息子たちも、グレースちゃんを本当の妹のように日々可愛がっているとのことだ。

実はグレースちゃん、自身の生い立ちを知っており「娘に聞いてみてください。『パパが救急車の中で私を取り上げてくれたの』と言いますよ」とマークさんは語る。成長してから真実を知るよりも、グレースちゃんが小さなうちに打ち明けておきたかったそうだ。

だが真実を知っているからこそ、グレースちゃんはハッデンさん一家に育てられている幸せを日々感じているのだろう。DNAの繋がりはなくともグレースちゃんとマークさんたちは強い絆で結ばれており、「運命というのがあるならば、きっとグレースを授かったことは運命なのでしょう。私たちは本当に恵まれています」とマークさんも述べている。

このニュースを知った人々からは、「嫌な事件ばかりが多いけど、こんなに心温まるニュースを聞くと嬉しくなるね」「血よりも濃い絆があるって本当だね」「美しいわ。良い家族に恵まれて女の子が幸せになって本当に良かった」などといった多くの声がネット上にあがっている。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)