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●小型軽量ボディと高速レスポンスで機動力抜群
キヤノン「EOS M5」は、昨年11月に発売された同社ミラーレスカメラの最新モデル。独自の「デュアルピクセルCMOS AF」を一眼レフのEOSから継承するなど小さなボディに高機能を凝縮。その機能性と拡張性を生かすと、どんな写真が撮れるのか。旅のスナップと風景写真を見ながら、EOS M5の実写性能をチェックしていこう。

○質感までリアルに表現できる細部描写力

筆者にとってEOS M5は、最近のお気に入りカメラのひとつ。約2カ月使い続け、その長所と短所、個人的な相性などもわかってきた。

メリットは、取り回しに優れた小型軽量ボディながら、同社の一眼レフ「EOS 80D」に匹敵する高機能と高画質、高速レスポンスを兼ね備えていること。タッチパネル&チルト可動対応の大きな液晶モニターや、EVF (電子ビューファインダー) をレンズ光軸上に配置した端正な外観デザイン、EF-Mレンズのほかアダプター経由で豊富なEFレンズが使える点も気に入っている。

改善要望点として、EVFの表示が鮮やかすぎたり、シャッター音がやや切れ味不足と感じるところもあるが、旅行やスナップなど機動性重視の用途では、EOS M5のコンパクトなシステムが大きな強みになる。キットレンズでもある高倍率ズーム「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」と組み合わせれば、どんなシーンでも対応可能だと思えるくらい使い勝手のいいカメラになる。

下の写真は「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の18mm側を使い、装飾扉に迫ったもの。薄暗い室内だったが、感度を高めつつ外部ストロボを発光させることで、ハイライトに輝きを作って素材感を強調している。

旅の写真では、風景の全体を捉えるだけでなく、こうした何げない被写体の細部に目を向けるのも面白い。このレンズは、高倍率ながら最短撮影距離が25cm (18-50mm時) と寄れるため、至近距離にある被写体も撮りやすい。テレ側にズームアップすれば、下のように遠近を圧縮した密度の高い写真も撮れる。

○手持ちで夜景撮影も

次のカットは、カメラを三脚にセットし、3.2秒の低速シャッターで撮ったもの。旅先に三脚を持ち歩くのはそれなりの負担になるが、EOS M5の場合カメラが小型軽量なので、大きくて重い三脚を用意しなくていいのが助かる。クリアな発色と引き締まったシャドウの描写によって、ライトアップされた橋の立体感が際立った。

フットワークを優先するなら、夜景でも三脚は使わず、高感度+手持ちで撮るのもいいだろう。次の写真は、手ブレと被写体ブレを抑えるため、感度ISO6400で撮影したもの。拡大表示にするとノイジーではあるが特に汚い印象はなく、しっとりとした夜の雰囲気を的確に表現できた。

●連写が速く、動く被写体にも強く
○狙ったタイミングを逃さない高速性能

既存モデル「EOS M3」から、AFや連写などのレスポンス性能が向上し、動体撮影に強くなったことは「EOS M5」の大きな魅力だ。AFは「デュアルピクセルCMOS AF」によってスピーディに作動。使用レンズを問わず、合焦に待たされることはほぼない。AFフレームサイズを2段階から選択可能になり、厳密なピント合わせがしやすくなった点もありがたい。

連写は、ワンショットAF時で最高9コマ/秒、サーボAF時で最高7コマ/秒に対応。一眼レフ・EOS 80Dの連写速度が最高7コマ秒 (ワンショットAF時) であることを考えると、EOS M5の連写パフォーマンスは非常に高いといえる。

次の写真は、たくさんの枚数を高速連写した中から、表情やポーズのバランスがいいカットを選んで採用したもの。ペットなどの予測できない動きを撮るときは、この高速連写と高速AFが役に立つ。無音撮影や4K動画撮影には非対応だが、次世代機にこれらの機能が搭載されると、なお活躍の場が広がるだろう。

○広角ズームもお気に入り

交換レンズに関しては、専用のEF-Mレンズは広角から標準、望遠ズーム、マクロまで今のところ7製品がラインナップされている。このうち、高倍率ズームと並んで個人的に使用頻度が高いのは、広角ズームの「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」だ。

18-35mm相当の広い画角をカバーしながら、全長58.2mm、質量220gの軽量コンパクトな設計は、EOS M5装着時のバランスもちょうどいい。写りの満足度も高く、ズーム全域で開放値からシャープネスの高い描写が味わえる。風景の広がりや建造物のスケール感を表現したいときにも重宝する。

ただ他社のミラーレスに比べた場合、EOS M専用のレンズラインナップはまだ豊富とはいえない。今年はぜひEF-Mレンズの拡充に期待したいところだ。特に明るい単焦点の標準レンズや中望遠レンズ、大口径ズームなどが加われば、EOS M5の魅力はさらに高まるはず。それまではアダプター経由でEFレンズを活用して楽しみたい。

(永山昌克)