第90回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞を受賞した宮沢りえ

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 女優の宮沢りえが5日、文京シビックホールで行われた「第90回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に来場、『湯を沸かすほどの熱い愛』での主演女優賞受賞に感極まり「この賞は特別」としみじみ語った。

 現在まで続いている映画雑誌としては最古となる1919年創刊の老舗映画雑誌「キネマ旬報」が発表している「キネマ旬報ベスト・テン」。今回、主演女優賞を獲得したのは宮沢。『たそがれ清兵衛』(2002)、『父と暮せば』(2004)に続く3度目の受賞となる。そして同作では宮沢の娘役で出演している杉咲花も助演女優賞を獲得した。

 一足先にトロフィーを受け取った杉咲は「カメラに映っていないところでも、宮沢さんが“お母ちゃん”でいてくれたことに何度も救われました」とコメント。10年前のデビュー当時、小学生だった自分にかけたい言葉は何かと聞かれると「もうちょっといっぱい寝たら背が伸びるかもしれないよと言ってみたいです」と答え、会場を沸かせた。

 宮沢はNODA・MAPの舞台「足跡姫」に出演中であったため、授賞式には途中から参加。「遅れてすみません。こんな風に遅れて参加するのは失礼だと思いましたが、映画人、映画ファンにとっても特別な賞。ぜひ参加したいと思って遅刻してしまいました」と遅れたことを詫びつつも、「前回の映画(『紙の月』)の吉田大八監督は、用事以外でメールをしてこない方なんですが、この賞をとったときに、とてもうれしそうに『おめでとう』というメールをくださって。そして最後に『うらやましい』と書いてあった。この賞は特別なんだなと思いました」と賞の重みをかみしめる。

 さらに「最近、演じるということは声や肉体だけで表現するのではなく、自分の体がその役を通るんだなと思うと、演じることが自分の人生の一つなんだなと思うようになりました」と続けた宮沢は、「そういう意味で、この映画の双葉をやらせてもらえたのは、人生において豊かなものだったと思います」と晴れやかな顔を見せると、後方に座っていた杉咲に向けて「花、おめでとう!」とお祝い。

 そしてそんな二人の女優を祝福するために、サプライズゲストとして中野量太監督が小躍りしながら登場。「新人監督が勝負できるのは脚本だけなので、必死に書き上げました。この本はお母ちゃんと娘の話なので、誰がやってくれるかでこの映画は決まる。最初にりえさんが、次に花もやると言ってくれて。これはいけるんじゃないかと思いました。その思いがキネ旬の主演女優賞、助演女優賞ということでビックリしました」と興奮気味にスピーチ。

 そんな中野監督を、同い年の宮沢は親しみをこめて「よかったね」と祝福。杉咲からは花束から一輪の花を贈られるなど両手に花で感無量の様子の中野監督だった。(取材・文:壬生智裕)