鈴木宗男とは政治信条は正反対だが、ランナーとしては掛け値なしの崇拝を捧げる筆者

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◆天才ポリグロット・タカ大丸の目指せ! 一年以内に離島・孤島でサブスリー! 第1回

 第1回 ムネオとカケロマへ―加計呂麻島篇 その1―

 加計呂麻島、と聞いてどこにあるかすぐわかる方はほとんどいないのではないか? 東京近辺に暮らす私の友人で加計呂麻を知っていたのは一人だけだった。前回の第0回にご登場いただいた同級生の農水省官僚Nである。なんでも、焼酎か何かの調査という名目で役所の仕事の一環で行ったらしい。

 加計呂麻島は奄美大島のすぐ南にある。島南端の港からフェリーで約20分、人口約1600人で、「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の収録が行われた島でもある。

 二回目のハーフをどこにしようか考えていた時に、「一番ネタになりそうなよくわからない島はどこか」と探していた時に加計呂麻を発見した。選んだ理由はただ一つ、元々その場所を知らなかったからである。開催は11月中旬で前回の対馬から約四か月の間がある。準備の時間は十分にある。私は申し込んだ。

 走り始めた私は、ありとあらゆるマラソン本を読み漁り始めた。その中で一番参考になった本を挙げろと言われたら、何の躊躇もなくこの一冊である。

「ムネオ流マラソン術 仕事人間でも走れる42.195辧徇詭攴|肪

◆胃がん、拘留を経てマラソンを完走した鈴木宗男の超人ぶり

 鈴木宗男氏は2008年の東京マラソンで3時間57分11秒、つまりサブフォーを達成している。もちろん、この記録より速い市民ランナーはごまんといるだろう。しかし、忘れてはならないことがある。一つ目に、このとき宗男氏は60歳だったということだ。二つ目に、宗男氏は2003年に胃がん切除の手術を受けている。つまりガンで胃を四分の三失った後にこの記録を達成しているのだ。余談だが、氏はゴールしたその足で羽田空港に直行、同日午後六時から北海道で講演したらしい。

 とても人間業とは思えない。

 そして、誰もが知る通り氏は逮捕・起訴・拘留の期間が一年以上続いた。どう考えても収監中に走り込みができたとは思えない。スポーツで一年のブランクを取り戻すことがどれほど困難か、少しでも経験がある方ならわかるはずだ。

 政治家・鈴木宗男の悪口はいくら言っても構わない。実は、私の友人に宗男氏の愛弟子の道議会議員がいて、政治信条は全て正反対である。つまり、宗男氏と私の信条も正反対ということだ。しかし、ランナー・鈴木宗男の悪口は絶対に言ってはならないのである。

 まして氏は政治家である。つまり、一般人より労働時間が長く、会食・会合もやたら多く、練習のまとまった時間はなかなか取れないに違いない。にもかかわらず、サブフォーである。これは何か参考になるのではないか。

◆ほとんどの偉人伝は参考にならない

 これは私の持論だが、参考文献を選ぶときに「身の丈」にあったものを探すことは重要である。

 たとえば「鷲の翼に乗って」という本がある。かつてドナルド・トランプの前に大統領選に出馬した米国の大富豪、ロス・ペローの実話である。

 部下がイラン革命に巻き込まれて人質となり、身代金を要求されたとき、彼はどうしたか。あろうことか、自社の役員を使って救出部隊を作り、自力で奪還したのだ!

 この顛末を英国の人気作家ケン・フォレットが書いたわけだが、確かに読み物としては最高の面白さであり、究極のリーダーシップの教科書である。

 しかし、実際の経営では一切役に立たない。当たり前である。一度でも会社勤めをすれば誰でもわかるはずだが、部下は上司のためには死なないのである。社長が「すまん、オレのために死んでくれ」と頼み、「はい、死にます」という男が15人いるというのはどう考えても一般企業にはない話だろう。