週末の大ニュースは、トランプ大統領への裁判所の反撃だった。ワシントン州シアトル連邦地裁が、イスラム圏の7カ国からの入国を一時禁止とする大統領令の差し止めを認めたのだ。大統領側は控訴裁に訴えたが、これも却下。トランプ氏はツイッターで裁判官に噛み付いている。

大統領令による入国禁止の実施も早かったが、裁判所の差し止めを受けた入国再開も早かった。何しろ国務省では、職員1000人が大統領令に反対の署名をしているのだ。無効とされたビザも有効になった。ワシントン・ダレス国際空港では、当該7カ国からの人たちが、大統領令に反対する人たちの歓迎を受けていた。

連邦地裁が訴えを受けて、差し止めを認めたのが3日(2017年2月、日本時間4日)。トランプ氏は相変わらずツイッターで、「この判事は潜在的なテロリストたちに、わが国を開放している。悪い奴らは大喜びだ。判事だという人物の意見は、馬鹿げていてひっくり返されるだろう」と毒づいた。「アメリカの安全のためだ。我々は勝つ」

同時に、日本の高裁に当たる連邦控訴裁判所に訴えたが、これも昨日(5日)却下された。当然最高裁に訴えるものとみられるが、空港での受け入れは続いている。禁ずるのも、それに反対するのも、いずれもアメリカ人。それがアメリカだ。

シュワルツェネッガー氏とも舌戦

また、別の「戦争」も始まった。ハリウッド・スターのアーノルド・シュワルツェネッガー氏が動画で、「仕事を変えてみようか」とからかったのだ。かねてからトランプ氏は、シュワちゃんを「カリフォルニア州知事として最悪だった」と言っており、シュワちゃんも共和党員でありながら、「大統領選では投票しない」と反トランプを鮮明にしていた。

トランプ氏は一昨年まで、NBCのテレビ番組の司会をしており、高い視聴率を取っていた。しかし、一連の過激発言でNBCがトランプ氏と絶縁。次の司会者に起用したのが、シュワルツェネッガー氏だったが、視聴率が落ちて、トランプ氏が「俺の代わりをやっているようだが、壊滅的だな」とからかっていた。

これに、シュワちゃんが動画で答えた。「へい、ドナルド、いい考えがある。仕事を交換しよう。視聴率稼ぎの達人の君がテレビの司会をして、代わりに僕が君の仕事を引き受けよう。そうすればまた、君は安心して眠れる」

トランプ一族ブランドに離反の動きも

実はトランプ氏の番組には、娘のイヴァンカさんも出演していて、トランプ氏は彼女を後任にと考えていたらしい。しかし大統領選での発言でNBCが見限った、したがってイヴァンカさんの芽もなくなった、とワシントン・ポストは報じている。

そのイヴァンカさんが手がけるファッション・ブランド「イヴァンカ・トランプ」を、百貨店ノードストロムが「今期の買い付けを行わない」と発表した。理由は「売れ行き不振」としているのだが、実は全米で、トランプ一族に関する商品の不買運動が起きていて、不振の原因とも言われるのだと。

アメリカはホント、何が起きるかわからない。