コネクタの裏表を気にせず挿せるなど、さまざまなメリットをもつ新規格のUSB Type-C。ハイエンドスマホや薄型モバイルPCを中心に、採用機種が増えている。

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 2016年、スマートフォンは「SIMフリー」が脚光を浴び続けた。そのほとんどがOSにAndroidを採用、家電量販店で販売しているSIMフリースマホの実に97%を占めている。さらに、各キャリアもSIMロックありのAndroidスマホを販売しており、スマホ全体でも半分弱はAndroidスマホが占めている。
 このAndroidスマホのハイエンドモデルを中心に、充電端子として新規格の「USB Type-C」を採用する機種が増えてきた。表裏の区別なく使えるなど利点もある反面、従来型のマイクロUSBケーブルは当然ながら使えない。Androidスマホを中心に、充電用USB端子の規格は移行期にさしかかっている。

●2016年の年間スマホトップ30 上位はiPhoneが独占



 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」では、2016年(1月〜12月累計)のスマートフォン全体のシリーズ別販売台数ランキングの1位はAppleの「iPhone 6s」、2・3位は同じくAppleの「iPhone 7」「iPhone SE」だった。

 Androidスマホ全体では、1位がファーウェイの「HUAWEI P9 lite」、2位はASUSの「ZenFone 2 Laser(ZE500KL)」、3位は京セラの「DIGNO E 503KC」、4位はソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5 SO-01H」で、SIMフリーに限ると、ASUSの「ZenFone Go(ZB551KL)」が3位に浮上する。

 OS別の販売台数構成比はiOSが51.9%、Androidが47.7%。製品としてはiPhoneがダントツの人気だが、2014年の時点では11.6%あったiOSとAndroidの差は、2016年は4.2%まで接近。iPhone自体の不振とSIMフリースマホの浸透が重なり、Androidのシェアが高まっている。

●最新AndroidスマホはUSB Type-Cに



 製品の薄型化を理由に、最初に充電端子を変更したのはApple。2012年発売の「iPhone 5」から現行のLightningコネクタに切り替えた。コネクタはiPhone/iPad/iPodシリーズ共通で、ケーブル類を使い回せる。

 一方で、Androidスマホ各社が採用したマイクロUSBは、スマホだけでなく、タブレット端末やモバイルバッテリ、Bluetoothスピーカー、無線マウスなど、充電端子として幅広く普及した。そのため、汎用性の高いマイクロUSBで充電できることは、Androidスマホのメリットの一つにもなった。

 しかし、Android搭載のスマホやタブレットでは、従来のマイクロUSBに代わり、充電用ポートとして「USB Type-C」を採用する製品が増えている。年間ランキングトップ30に入ったAndroidスマホのうち、「Nexus 5X」「Xperia XZ SO-01J」の2機種はUSB Type-C。「ZenFone 3(ZE520KL)」や「HUAWEI Mate 9」など、昨年秋以降に発売された海外メーカーのハイエンドモデルでは、ほぼすべてがUSB Type-Cに切り替わっている。

 Windwos 10を搭載したタブレットやPCでも、従来のUSBポートに加え、USB Type-C対応ポートを搭載する製品が増えている。さらに、2015年4月発売の新しいMacBookも、インターフェイスを「USB Type-C」に一本化し、それ以外のインターフェイスを廃止した。その潔い削りっぷりには賛否両論が巻き起こった。

 USB Type-Cは、上下左右対称なデザインのため、コネクタの裏表や、ホスト側・デバイス側といった違いを気にせず挿せる、1本で電源供給も映像出力もデータ転送もできる、スマホやノートPCなど対応機器が幅広い、といった多くのメリットがある。USBの次世代規格「USB 3.1」に準拠していれば、転送速度も従来のUSB 2.0より20倍も速い。

 しかし、従来、スマホで一般的だったマイクロUSBや、デジカメなどで使われているミニUSBとはコネクタ形状が異なるため、手持ちのモバイルバッテリで充電したい場合、付属のケーブルを常に持ち歩くか、別途、USB Type-Cケーブルや変換アダプタを買い足す必要がある。

 去年に引き続き、ハイエンドのSIMフリースマホが伸びると、2017年は、USB Type-C搭載スマホが一気に増えることになりそうだ。同時に、ケーブルに関する不満も表立ってくるだろう。逆にスマホでUSB Type-Cがスタンダードになれば、他の機器にも波及する可能性も高い。完全に置き換わるまで、ここしばらくは、一時的に、ケーブル問題に悩まされることになりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。