『失敗の本質〜日本軍の組織論的研究』 戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝夫、村井友秀、野中郁次郎・著 左:単行本(ダイヤモンド社) 右:文庫版(中央公論社)

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なぜ今『失敗の本質』なのか?2011年の震災後の国の対応、最近では相次ぐ巨大企業の組織的隠ぺい、都政への不信感などから、30年前の古典が再び脚光を浴びている。なぜ、日本は組織的な失敗を繰り返すのか?どうすれば日本は変われるのか?その答えこそ、日本軍の組織的敗因を分析した70万部のベストセラー『失敗の本質』に隠されているようだ。この難解な名著をやさしく読み解く7つのヒントを、14万部突破の『「超」入門 失敗の本質』の著者が紹介する。

『失敗の本質』が指摘した、日本的組織の弱点

「いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する(中略)。本来、明確な統一的目的なくして作戦はないはずである。ところが、日本軍では、こうしたありうべからざることがしばしば起こった」(文庫版、P268)

 上記は1984年に発刊された、『失敗の本質』の第2章からの抜粋です。日本的組織論・戦略論の名著である書籍の言葉は、現代日本の問題、巨大企業の不祥事をそのまま予言しているように響きます。

 想定外の変化、突然の危機的状況に対する日本の組織の脆弱さは、私たちが今まさに痛感するところです。名著にズバリ「予言された未来」を現代日本は体験しているかのようです。

 その『失敗の本質』が今、再び脚光を浴びています。同書は初版以降33年間、毎年売れ続けている驚くべきロングセラー書籍ですが、2011年の大震災後は有識者の記事でも多く引用されました。また、2016年には新東京都知事となった小池百合子氏が同書を座右の書として言及したことで、改めて多くの注目を集めました。

 かつて世界市場を席巻した日本製品と日本企業が販売競争に負け、出口の見えない閉塞感と業績。最近では巨大企業の不正発覚から、都庁の意思決定機構の不透明さ。これら日本的組織原理による失敗や破綻、不祥事が改めて『失敗の本質』を手に取る読者を増やしているのです。

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