2017シーズン 選手の補強一覧

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城福前監督を解任し篠田監督が昇格。良い形で新シーズンへ

 フットボールチャンネル編集部では、Jリーグ開幕に向けて各J1クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、大久保嘉人や太田宏介、永井謙佑らを獲得したFC東京を占う。

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 2010年以来の就任となった城福浩監督を迎え、悲願のリーグ制覇を目指した2016年のFC東京。しかし、前任者マッシモ・フィッカデンティ監督が目指した堅守速攻のスタイルからの転換は容易ではなく、チームは低迷。

 交代カードを切った直後に失点するなどチームの構築、試合中の判断、すべてが上手くいかず、チームが上昇することはなかった。攻撃陣は各駅停車でしかボールが回らず、城福監督が掲げた「アクション・フットボール」は完成を見ることなく7月に解任された。

 コーチから昇格し、そのあとを引き継いだ篠田善之監督は攻守の切り替え、球際の厳しさといったチームが戦うための根本を見直し、成績も向上。攻守に安定感が戻り、篠田監督就任後はリーグ戦12試合を8勝2分2敗で乗り切った。2017年に向けていい形でシーズンを終えることができた。

前線に大久保・永井。得点力の向上に期待

 不安定だったGKにはサガン鳥栖で実績を残し、日本代表にも招集された林彰洋が加入。相手にプレッシャーを与える存在感に加え、安定したシュートセービングなど間違いなくチームの守備陣に安定感をもたらしてくれるはずだ。

 そしてフィテッセから太田宏介が2年ぶりに復帰。左足から繰り出される正確なクロスはJリーグ屈指であり、セットプレーのキッカーとしても期待が集まる。2015年には13アシストを記録し、FC東京の4位進出に大きく貢献した。

 高橋秀人が神戸へ移籍し、米本拓司が長期離脱中、橋本拳人が開幕に間に合うか微妙という中で中盤には郄萩洋次郎がFCソウルから獲得。中盤でリズムを作り出しながら、前線へ飛び出していける高萩のプレースタイルはまさにFC東京に足らない部分だった。

 得点力不足に泣いた前線には3年連続の得点王にも輝いた実績がある大久保嘉人、J2へと降格した名古屋グランパスから永井謙佑の2人が加入。最終ラインは森重真人を中心にある程度の計算が立つだけに、上位進出には得点力が求められる。2人で30ゴールは期待したいところだ。

 GKから前線まで各ポジションに実績のある選手が加入し、チームの層は十分に厚くなった。十分にリーグ初優勝を狙える陣容が整ったといえるだろう。

各ポジションにレギュラークラスを揃えるも…中盤とCBは選手層に不安

 Jリーグ制覇が最大の目標となる。昨シーズン終盤に篠田監督が積み上げたものに、実績のある選手が加入し、さらなる上積みが見込めるはずだ。

 予想スタメンは昨シーズン終盤のベースとなった4-4-2(4-2-3-1)としたが、3トップも可能だし、中盤もフラットやダイヤモンドなど様々な形で戦うことができるメンバーが揃っている。対戦相手やコンディションなどによってそれぞれ違ったシステムや選手の配置、選手起用を行うことができるだけに、篠田監督の手腕が問われることになる。

 前線の4枚、そして両SBにはそれぞれ各ポジションにレギュラークラスの選手が2人揃っているが、中盤センターとCBは少し層が薄く不安材料となりそうだ。

 中盤センターでは米本、橋本が開幕に間に合わず、高橋も移籍したため守備に特徴のある選手が足らない状況だ。このポジションでの起用が予想される高萩、梶山陽平、田邊草民はいずれもパスワークや前線への飛び出しなど攻撃面で特徴のある選手になる。シーズン序盤は攻撃力のあるチームとの対戦になるだけに、バイタルエリアの守備は不安が残る。

 森重、丸山祐市が君臨するCBも控えは吉本一謙のみ。昨シーズンは高橋で凌いだ試合もあった。森重と丸山が代表に選出されれば、ルヴァンカップの予選リーグや天皇杯で苦しい戦いを強いられることになる。徳永悠平のスクランブル、U-18から昇格したばかりの岡崎慎を起用するという手が考えられそうだ。

 2月、3月に行われるリーグ戦4試合は鹿島アントラーズ、大宮アルディージャ、ガンバ大阪、川崎フロンターレと全て昨シーズンのトップ5以内のチームとなった。昨シーズン終盤、篠田監督の下で築いた基盤の上に新加入選手たちが結果を残し、シーズン序盤を上手く乗り切れば、勢いに乗って上位進出は可能なはずだ。優勝経験のないチームは勢いの助けも必要になる。

診断

補強診断 A

 不安定だったGKに鳥栖から林、精度の高い左足を持つ太田、これまでにいなかったタイプの高萩、得点を期待できる大久保、永井と各セクションに代表クラスの実力者を確保した。ここ数年にない積極的な補強で十分にタイトルが狙える陣容になった。

総合力診断 A

 前線は各ポジションにレギュラークラスの選手が2人ずつおり層が厚い一方で、中盤センター、CBは少し層が薄いのは不安材料。また、チームにリーグ優勝を経験した選手はほとんどおらず、実際に優勝争いになったときの経験不足は心配される。篠田監督にとってもこれだけの戦力を託されるのは初めてのはずだ。

text by 編集部