特定のメディアを徹底的に非難し
別のメディアには賛辞を惜しまない

「CNNなんぞ見ないよ。フェイク・ニュースを見ているのは嫌だからね」。

 こう述べたのは、他でもないアメリカ45代大統領ドナルド・トランプ氏だ。

 その後に続いたことばはこうだった。「フォックス・ニュースは非常にいい。フォックスなら何をやっていても感謝を述べたい」。

 あるいは、こんなツイートをした。

「ニューヨーク・タイムズとワシントンポストでの私の報道は、間違いと怒りがいっぱいで、実はニューヨーク・タイムズは…」「…減少する一方の購読者と読者に謝罪した。彼らは最初から私のことを誤解しており、ずっとそのままだ。きっと変わることはないだろう。不正直だ」

 民主主義国家のトップである人物が、特定のメディアをこき下ろし、特定のメディアを持ち上げるなどということがあっていいものだろうか。しかも、その内容が間違っている。ところが、これがまさに今アメリカで起こっていることだ。

 トランプ大統領がCNNを目の敵にしているのは、同氏がかつてロシアのホテルの部屋で、ミス・ユニバースの参加者たちとご乱行にいたったという調査書が存在することを報じたからである。反対にフォックス・ニュースは保守共和党寄りで、ほとんどがトランプに親切なニュースを報じることで知られている。

 そうでなくとも、トランプ大統領はことあるごとに主要報道メディアを攻撃している。メディアはトランプ政権が打倒を図る「エスタブリッシュメント」の一部であることが理由で、ことあるごとに「大統領選の結果を正しく予想できなかった」とあげつらう。もちろん、これら報道メディアは就任式前から、日々トランプ政権の非をついている。トランプ大統領がメディアをますます嫌いになるのも当然だろう。

 ただ、トランプ政権にはそもそも報道メディアの何たるかについて、誤解があるのは確かだ。自分を誉め称えないメディアはすべて、「不正直」や「フェイク・ニュース」になるのだ。

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