By Michell Zappa

音楽や映画、ゲームといったコンテンツには、違法な複製行為から守るためにデジタル著作権管理(DRM)という技術が採用されています。ゲーム業界には最強とうたわれる「Denuvo Anti-Tamper(以下、Denuvo)」というDRMそのものを守るための改ざん防止技術が存在するのですが、このDenuvoを搭載したゲーム「バイオハザード7 レジデント イービル(PC)」の海賊版が発売からわずか5日後に登場する事態が起きています。

Denuvo Piracy Crisis as Resident Evil 7 Gets Cracked in Record Time - TorrentFreak

https://torrentfreak.com/denuvo-piracy-crisis-as-resident-evil-7-gets-cracked-in-record-time-170130/

Denuvoは、オーストリアのソフトウェア会社・Denuvo Software Solutions GmbHにより開発されている改ざん防止の一種で、DRMの実行ファイルの改ざんを防ぐことでDRMそのものを守るための技術です。 ゲーム業界では、DRMが簡単に突破され発売日より前に海賊版が出回ってしまうという事態が続いていたのですが、このDenuvoは過去に「Just Cause 3」という人気ゲームを発売から1カ月間守り続け、中国のクラッカー集団「3DM」が「コピーガードの技術がクラック技術を上回りつつある。2年以内には海賊版ゲームがなくなるかもしれない」と発言したこともあり、最強の海賊版対策技術として知られていました。

しかし、2016年8月にはクラッカー集団のCONSPIR4CYが、同年7月に発売されたゲーム「INSIDE」に搭載されているDenuvoを、発売から1週間で突破することに成功。さらに、今回は、2017年1月26日に発売されたカプコンのゲーム「バイオハザード7 レジデント イービル」の海賊版が、発売からたった5日後にインターネットで出回っていることが判明しました。この5日間というのは、これまでDenuvoが打ち破られた中でも最短の記録になります。

『BIOHAZARD 7 resident evil』 ティザーCM映像 - YouTube

著作権やプライバシー、ファイル共有関連のニュースを配信するTorrentFreakによれば、Denuvoは通常数カ月の保護を保証しており、バイオハザード7が5日間で打ち破られてしまった事実は、ただ単にクラッキングまでの最短記録更新というだけでなく、世界で最も有名なDenuvoが重大な局面を迎えたという意味でもあるとのこと。過去には最強としてうたわれたDenuvoですが、クラッキング技術がさらなる進化を遂げたことで、窮地に立たされているというわけです。

Denuvoはバイオハザード7の海賊版が発売から5日後に出回っていたことに対して、ゲーム関連メディアのEurogamerにコメントを寄せています。

Denuvo responds to lightning quick Resident Evil 7 PC crack • Eurogamer.net

http://www.eurogamer.net/articles/2017-02-01-denuvo-responds-to-lightning-quick-resident-evil-7-pc-crack

Eurogamerによれば、Denuvoのマーケティングディレクターのトーマス・ゴーベル氏は「改ざん防止技術はクラックするのをできるだけ難しくするためのものであり、クラックを不可能にするものではありません。バイオハザード7をクラックできたのは、1つのクラッカー集団だけです」と話したとのこと。また、「クラックされたことから学び、それを新しい改ざん防止技術のアップデートに生かしていきます。この方針は変わりません」とも発言しています。



By Chris Potter

Eurogamerは、バイオハザード7の開発元のカプコンが今後ゲームへのDenuvoの採用をやめて払い戻しを要求するだろうと予想していますが、ゴーベル氏は「我々は特定の期間内にDenuvoが打ち破られた場合の払戻金を定めていない」とコメントしています。