豪ブリスベンの浜辺に大量のクラゲ(出典:http://metro.co.uk)

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漁業やリゾート産業にとって大きな痛手となるクラゲの大量発生。日本におけるエチゼンクラゲも同様だが、生き物が大量発生するにはそれなりの理由があり、安易に駆除しようとすれば環境破壊につながりかねない。それがクラゲ大量発生の大きな問題だが、豪ブリスベンの海岸で今…。

ブリスベンの海岸の一つ、デセプションベイ・ビーチで波打ち際すら見えなくなるほどクラゲが大量に発生した。美的感覚をひどく損ねるこのクラゲに住民たちは眉をひそめており、その様子を撮影した写真が次々とSNSに投稿され、世界の人々の関心を集めている。

このクラゲは「カラー・ジェリーフィッシュ(学名/Catostylus mosaicus、別名/Mosaic sea jelly)」といい、インド洋〜西太平洋に分布。白、緑、青から赤紫色を呈する傘の直径は35cmもなる。この爆発的な大量発生は「ブルーム」と呼ばれるが、海洋生物学者のリサ・アン・ガーシュウィン博士は「風の向き、海水の表面、そして潮汐の条件がうまく重なった時に起こるもの。このクラゲにとってはライフサイクルの一部でもあります」と説明している。

「かつてないほど大量で非常に珍しい現象」としながらも、ガーシュウィン博士は「安心してください。彼らはなんら被害を与えないうえ、浜辺に大量の死骸が残るということもありません。この状況は1週間ほど続きますが、彼らはちゃんと海に戻っていきますよ」と添えた。

ただし少し先のレッドクリフやスカボローには美しいリゾートホテルが建ち並び、クラゲの大量発生がそちらに及ぶようでは問題も深刻となる。商売上がったりといえばタイの有名リゾート地プーケットの例がある。ここで強力な毒を持つ電気クラゲの「カツオノエボシ」が見つかり、3つのビーチに遊泳禁止令が出されたことがある。

しかし写真家がわざわざ“それ”を撮影しにやってくるのは、インドネシアのジャワ島から南へ360キロというオーストラリア連邦領クリスマス島。甲羅の幅が12cmほどという約1億2千万ものアカガニが毎年10月から11月、時には12月にかけて繁殖期を迎え、産卵のために熱帯雨林の棲み処から海に向かって一斉に移動する。またその1か月後には小指の爪サイズの何百万という赤ちゃんガニが海から森に戻ってくる。道路が真っ赤なカニで埋め尽くされる光景は、地元の人々にとっても「まさに圧巻」だそうだ。

また海とは関係がないと思われる動物が大量発生することもある。アルゼンチン・ブエノスアイレス州のマル・デ・アホというビーチリゾートでは何百万というカブトムシが浜辺を埋め尽くし、観光客を震え上がらせたことがある。その直前には地震も起きていたことから地球滅亡説まで飛び交った。何より痛いのは今時はSNSにそうした写真が次々と投稿されることから、長きにわたって客足に影響が出ることであろう。

ちなみにエチゼンクラゲの大量発生は、海水そのものの栄養が豊かになり、餌となるプランクトンが豊富になった結果の現象である。巨大サイズのエチゼンクラゲの出現には驚くばかりだが、食用として利用できることがわかった今は「中華クラゲにとって代わるか」とも言われるようになっている。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)