スポーツくじの賞金を寄付するアプリ、「大義」好きな米国にマッチするか

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アメリカ人は、スポーツくじに結構な金額を費やしている。米国ゲーミング協会の推定によれば、アメリカ人が違法なスポーツ賭博に使う金額は毎年1,000億〜3,000億ドル(約11.5〜34兆円)にのぼる。

ここに目をつけたのが、グッドブッキー(GoodBookey)の創業者たちだ。同社のトニー・ピーズCEOは「人はみな、ちょっとした賭けをするのが好きなんだ。金銭的見返りの問題ではなく、人は本質的に競争好きということだよ」と語る。

同社の創業者たちは、人々のそうした性質を社会に対する大きな影響力に活用したいと考えた。そこで考案したのが、彼らが「チャリティスポーツくじ」と呼ぶものだ。

グッドブッキーのアプリの使い方は次のとおりだ。まずユーザーは、アプリ上で今後予定されている(例えばNFLやMLBなどの)スポーツイベントを選択し、試合結果に賭けをする友人を招待する。相手がそれを承認したら、各々がリストからチーム、賭け金と慈善団体を選ぶ。賭けに負けた方は、自分の賭け金を、勝った方が選んだ慈善団体に寄付しなければならない。

奨励するが強要はしない

スポーツくじと慈善活動への寄付を組み合わせる方法は新しいものではないが、グッドブッキーはそれを奨励し収益化する初のアプリとみられる。

ユーザーも、同アプリを通じて資金調達を行う慈善団体も、無料でグッドブッキーを使用することができる。決済処理を行うストライプ(決済サービス)が寄付金の一部を、そしてグッドブッキーが3%を手数料として受け取り、集まった寄付金のできる限り多くが慈善団体に回るようにしている。

立ち上げやその後の運営にあたっては、さまざまな法律上の障害にも直面してきた。だが同社と弁護団は、ユーザー間で金のやり取りが行われることはなく、法に触れる問題は全て回避されていると確信している。また同アプリは、ユーザーに寄付を強要するものではない。賭けに負けた場合に、寄付を促すだけだ。

2016年3月にアプリを発表したグッドブッキーは、これまでにいくつかの成功を収めている。7月にはスタートアップ企業の育成を行うグラウンドワーク・ラボ(ノースカロライナ州ダーラム)を卒業し、フランスの広告会社ピュブリシスが決める賞に選ばれ、約11万ドル(約1,260万円)の賞金を獲得した。

グッドブッキーが営利企業として成功するには、今後ユーザーベースを増やしていく必要がある。スタートアップ企業に関するニュースサイト、エグジットイベント(ExitEvent)のローラ・ベーバーマンは、上述のピュブリシス賞の副賞である、コミュニケーション及びマーケティングのメンターシップがその役に立つだろうと考えている。

同社はまた、ドローンレースの大会(ドローン・レーシング・リーグ)やストックカー競技のARCAシリーズと提携。今後さらに多くのプロスポーツ協会と提携して宣伝や販促を行っていくことを検討している。

だが”慈善賭博”というコンセプトで、十分な人を引きつけることができるのだろうか。ピーズによれば、アメリカ国民が2015年に慈善活動に寄付した金額は3,730億ドル(約43兆円)にのぼり、これは国民が正当な大義には”気前がいい”ことを示している。とはいえスポーツくじの目標は従来、賞金を獲得することだ。グッドブッキーはこうした利己的な動機を、大義のための力に変えることができるのだろうか?

それはまだ分からない。だからこそ創業者たちは、人々にアプリを試してフィードバックを提供してほしいと言っている。彼らは、グッドブッキーのアプリで賭けに勝ち、友人の賭け金が慈善団体に寄付されると知るのは最高の気分だと語る。あなたはどう思うだろうか?