赤裸々に思いを語った大塚 愛
 - Photo by 酒井貴生(aosora)

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 2003年に「桃ノ花ビラ」でメジャーデビュー、同年にリリースした2ndシングル「さくらんぼ」がロングヒットを記録し、人気アーティストの仲間入りを果たしたシンガーソングライター・大塚 愛。以降も数々のヒットソングを手掛け、音楽シーンを軽やかに駆け抜けている印象のある大塚だが、心の中には常に「音楽をやめたい」という思いがちらついていることを告白した。

 人気絶頂の2005年頃、大塚は「さくらんぼ」のヒットによって自分のイメージが「さくらんぼ」一色に固定されてしまったことに「(楽曲を)上手く浸透させられなかったんだなぁ」と落ち込んだという。その後も“さくらんぼ的な大塚 愛”を求められ「そうしなきゃいけない。波が止まっちゃいけないと、いつも苦しくて……」とブレイク当時を振り返った。

 さらに「わたしっていつまで、キュートでポップで元気なんですか? そう言ったのはその1曲だけで、それ以外の楽曲では一度も言ってません」と思いの丈を吐露。また、「会ったこともない人と恋愛(をしていること)になったり、そういうことがいっぺんにわかり始めて、この世界の恐ろしさを知った」ことも、音楽をやめたいと思う理由になったと打ち明けた。

 その思いは現在進行形で、「わたしは『さくらんぼ』にしがみついているわけじゃないのに、そういう風に(世間に)出されると、何のためにやっているんだろうと。イメージを持たれず、自由にいたい」と熱望した。

 そんな大塚が約2年9か月ぶりにリリースするシングル「私」(2月15日リリース)は、香里奈主演ドラマ「嫌われる勇気」の主題歌として、「過去や未来、他人の評価に捉われず、わたしをもっと生きよう」というテーマで制作。では、自身が理想とするわたしとは? 大塚は「基本はゆるい。その中に格好良さとかわいさが入り混じっている人。理想は(女優の)永作博美さん」と話した。

 ざっくばらんに心中を見せる大塚は、プライベートにも言及。家庭は「娘がすごく明るいので、彼女がいるだけで花が満開。賑やか」だそうで、娘に母というよりは先輩ノリで接し、時に歌のダメ出しを行うことも。そして、「子供に悲しい思いをさせないこと」を軸に、現在はスローペースで音楽に向き合いたいという思いも口にした。

 「自分が見たもの、感じたものを楽曲にしている」と語る大塚にとって、結婚・出産という人生の大きな節目を通過し、新たに芽生えた感情や考え、成長や変化という経験は、アーティストとして大きな武器だ。そう、大塚に「さくらんぼ」の呪縛はもはや無用。時おり、穏やかな母の表情をのぞかせる様子を見ていると、“キュートでポップで元気な女の子”を経て、これからも“わたしらしく”変わり続ける大塚 愛を見続けたくなる。(取材/錦怜那)