清水が柏との練習試合で3-1と勝利。鹿児島・指宿まで多くのサポーターも駆け付けた。写真:前島芳雄

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 今季J1に復帰した清水エスパルスに関して、注目されているのは「大前ロスの影響は?」という点だろう。鄭大世との二大エースとしてJ2で18得点を挙げた大前元紀が、大宮に電撃移籍。果たしてその穴は埋まるのか、と。
 
 そんな中、鹿児島キャンプ6日目の2月4日に、今季の対外試合としては3試合目、J1のクラブとは初対戦となる練習試合が、柏レイソルを相手に行なわれた。ここでは「大前ロスの影響」という視点をメインにしながら、その内容をお伝えしよう。
 
 ゲームの形式は40分×4本で、最初の2本がAチーム同士、後の2本がBチーム同士という組合せ。清水のシステムは4本とも4-4-2で、1本目のメンバーは、GK六反勇治、ディフェンスラインは右から六平光成、犬飼智也、角田誠、松原后。ボランチは、枝村匠馬と竹内涼。2列目は、右が野津田岳人、左が白崎凌兵。2トップは鄭大世と金子翔太。河井陽介や鎌田翔雅が体調不良で出遅れている中で、現状のベストと言える先発布陣だった。
 
 対する柏のほうも、破壊力抜群のブラジル人トリオが初めて揃って先発するなど、完全な本気モード。その柏に、清水のサッカーがどれだけ通用するかが注目される戦いとなった。
 
 立ち上がりは、柏が前線のパワーやスピードを見せつけて押し込む場面を増やし、決定機も2度3度と作ったが、清水の新守護神・六反が好セーブを見せてなんとか凌ぐ。すると20分が経過したあたりから清水が落ち着きを取り戻してパスをしっかりとつなげるようになり、それ以降は互角以上の戦いを見せた。
 
 後半も立ち上がりこそ柏が少し押し込んだが、それ以降は清水ペースで、チャンスの数でも上回る。そして11分に白崎のアシストで鄭大世が決め、その後も大きなピンチは作られないまま80分を終えて、Aチーム同士の対戦は1-0で清水が勝利した。
 
 昨季J1で年間8位だった柏との戦いを終えて、大前ロスのネガティブな面は大きかったかと問われれば、筆者の率直な感想は“ノー”だった。
 
 この試合では、大前の代役は1本目が金子、2本目が20歳の北川航也が務めたが、彼ら2人のプレーがどうこうというより、チームとしてうまく機能していたことが大きかった。強力な柏FW陣の個の力に対しても組織で対応して無失点に抑え、攻撃でも大前に代わる10番・白崎を中心とした速いパス回しで、柏より多くのチャンスを作ることができた。
 小林伸二監督も、「20分経って相手の勢いに慣れてきて、それ以降は我々のほうがテンポが良くなった。最初は何人かがイージーミスをしてキツくなったけど、我慢できれば(パスを)回せるというのは、みんな感じていると思います。少しは色が出てきたサッカーもできるんだなという感じは見えました」と良い手応えを口にする。
 
 ここまで3試合全てでゴールを決めている鄭大世も「組織さえしっかりしていれば大崩れすることはないと思う。人数をかけて崩したり、カウンターで良い形で突破したりできて、相手よりもチャンスは多かった」と語る。
 
 選手個々に「自分がやらなければ」と責任感が表われていることもプラス要素だ。とくに白崎は、決勝点のアシスト以外でも多くのチャンスを演出し、攻撃の中心に成長していることを示した。彼自身「J1のチームはやっぱりボディコンタクトが激しい」と語るが、それをものともしないたくましさも見せている。

 「自分が通用しなくて抑えられたら、たぶんチームも厳しいと思うし、自分のところは負けちゃいけないと思っています。うまさを見せるだけじゃなくて、球際もガッツリ行くとか、そういう姿勢を出していきたい」(白崎)と自覚の高さを口にした。