2016年9月、天安門広場に掲げられていた、毛沢東肖像画が新しいものに取り換えられる様子(STR/AFP/Getty Images)

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 中国最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)は1月25日、「邪教(カルト)組織」を定義する『刑法』第300条の新司法解釈を共同で公布した。いっぽう、中国共産党政権が定めたカルト組織の定義から見ると、実に中国共産党こそが国内最大なカルト組織だと見て取れる。これは中国5千年「敬天(お天道様を敬う)思想」が凝縮された600年の歴史を持つ天安門に、毛沢東の肖像画を掛けるという個人崇拝の行為も証明している。

 明の永楽15年(1417年)、明の成祖(永楽帝)朱棣が南京から北京に遷都を決めた後、元の時代にあった王宮を基に皇城(現在の故宮、紫禁城)の建設などが進められた。その3年後の永楽18年(1420年)に、皇城の正門が完成され、「受命于天(天から権力を授かった、天命或いは天の意志を受けて治世を任された)」の意味から「承天門」と呼ばれた。

 清の時代になると、世祖(順治帝)の愛新覚羅福臨は順治8年(1651年)、「承天門」などの城壁を再建した際、「承天門」から「天安門」に改名した。それは、清の皇帝が「受命于天、安邦治国」との理念から付けたと言われている。

 それ以降、天安門は中国の最高権力が天から授かった象徴となった。お天道様、そして中華民族を見守る神への敬畏を示すため、明と清の皇帝たちは天安門を「国運の門」と見なし、天に対して不敬な心を少しも起こすのを許さなかった。歴史記録をみると、明と清王朝では、特別な儀式以外に天安門は常に閉じたままだった。また特別な日以外、皇帝本人も天安門からの出入りを禁止されていたという厳格な規定があった。

 「真命天子(天命を受ける皇帝、天の子)」とも呼ばれる皇帝たちは誰もが自らの肖像画、または先祖の肖像画を天安門に掛ける勇気がなかった。それはお天道様に背き、天に挑むことを意味し、不敬の極まりであるため、絶対に許されない行為だからだ。

 清王朝が滅亡した後、1949年まで天安門に一時的に、袁世凱と孫文と蒋介石の肖像画が掛けられたことがあった。49年に暴力革命で政権を奪った中国共産党は矢も盾もたまらず毛沢東と朱徳の肖像画を掛けた。このように、国民に対して自らの権力を見せびらかすのは非道の独裁者だけで、「天命を受ける天の子」はこのようなことを絶対にしない。

 人類発展の歴史をみると、数千年において各民族ではその民族を見守る神や聖人を祭るために肖像画や位牌などを作ってきた。中国歴代王朝の皇帝たちから西洋各王国の国王たちまで皆このような伝統があった。

 そして現在、各主要民主主義国家をどこ見ても、その国に大きく貢献した指導者であってもその肖像画を国の象徴建築物の上にかけることがない。しかし、中国、北朝鮮などの共産主義政権の国家だけが、その「革命の指導者」を神格化し、「指導者」が死んだ後も、その肖像画に対して神のように祭って崇拝している。これはまさに宗教行為で、共産主義政党は典型的なカルト組織ではないであろうか。

2016年9月、天安門広場に掲げられていた、毛沢東肖像画が新しいものに取り換えられる様子。共産党の主張する「建国記念日」67周年に合わせて(STR/AFP/Getty Images)
 

 では中国当局の『刑法』第300条で「邪教組織」についての解釈を見てみよう。同第300条では、「宗教、気功または他の名義を不正に利用して、(組織の)重要分子を神格化し、迷信や邪説のでっち上げと流布などの手段で他人を惑わして騙すことによって勧誘を行い、組織のメンバーを支配して、社会に危害を与える不法組織」と定義する。しかし、中国共産党は自らが定義した邪教特徴にすべてがあてはまっている。

 まず、中国共産党は全人類の解放を目的に形成された「無神論の暴力革命組織」である。この組織の重要分子は「革命導師」で、組織メンバー全員がその「革命導師」を大いに崇拝しなければならない。さらにこの重要分子を「紅太陽」「大救星(救い主)」と喩える。毛沢東はほかでもないこの「紅太陽」として崇められ、死後永久保存されたその遺体を偶像としていまだに崇拝されている。

 2つ目には、この組織は無神論を以て人々を惑わし騙し、数千年の歴史に基づく中国人の伝統的な道徳観を破壊してきた。

 最後には、中国共産党組織が中国社会にもたらした深刻な危害だ。この組織の権力はすべての法律の上に凌駕して、法律を踏みにじってきた。現在報道された多くの汚職・腐敗官僚はすべてこの組織のメンバーだ。中国の社会不安、政治的対立、環境汚染などの原因もこの組織にある。思うままに国民を惨殺しても処罰を受けなくて済むのも、この組織だ。

 だから、中国共産党が中国最大なカルト組織だ。周知のように、この組織は毎日全国範囲で大規模な宣伝活動を行っている。新聞からテレビ、ラジオ、インターネットサイト、政府や民間の各レベルで開催される「党委員会会議」まで、また幼稚園の啓蒙教育から大学の学術研究まで、中国の至る所で毎日「偽、悪、闘」を唱える暴力革命の宣伝が行われている。

 中国共産党は、「カルト組織は人類を救うためとのスローガンを揚げて、迷信や邪説を広げる」と定義するが、では中国共産党が「共産主義が全人類を解放する」との主張もその定義の範囲内に入るのではないか? 中国共産党が「邪教組織は秘密結社の形で人々をコントロールしている」と主張しているが、過去国民党政権の時、全国各地にあった中国共産党の地下党員や地下組織もその「秘密結社」の範囲内に入るのではないか?

 中国共産党が「カルト組織は暴力と邪説で、そのメンバーの思想をコントロールして、洗脳教育を行っている」というが、中国共産党が毎日行っている、党員、共産主義青年団員、少年先鋒隊員に対する共産主義学習や思想教育や思想改造は洗脳ではないのであろうか?中国共産党が党からの脱退を公言した人々に対して重罰しているのも邪教組織の特徴ではないか?

 2007年中華民国教育部は台北市の国立中正記念堂を「国立台湾民主記念館」に改名した。同記念館にあった「大中至正」との横額は同市の自由広場に移された。これによって、台湾で政治指導者への個人崇拝の歴史が終わった。

 中国本土では民族の象徴である天安門に邪教教祖・毛沢東の肖像画が下ろされない限り、民族の復興や中国国民の安泰と平和が訪れることがないであろう。

(時事評論員・川人、翻訳編集・張哲)