1997年に公開された映画『タイタニック』。レオナルド・ディカプリオ演じる主役ジャックの死という悲しいエンディングに、世界中の人が胸を痛めたはず。彼が生き残る方法なかったのか、あの死は必然的なものだったのか。そんなファンたちの疑問を、アメリカのテレビ番組が科学的に検証。その結果に、ジェームズ・キャメロン監督は…?

疑惑のシーンは、タイタニック号が沈没し、ローズとジャックが海へ投げ出された後のこと。ジャックはローズを救うために浮いていた板へローズを乗せ、冷たい海水に下半身が浸かる中、やがて力尽き海の底へと沈んでいく…。思い出すだけでウルッとしてしまいそうなこの名シーンに、「待った」をかけたのが、アメリカのテレビ番組『怪しい伝説』。あの板に、ジャックも一緒に乗ることはできなかったのかを検証!

検証序盤で同時に板の上に乗ることに成功した2人。ジャック役の男性が2人のライフジャケットを板の底に結ぶと、板の安定性がグンとアップ。カラダの80%が水に浸かっていない状況で、昼寝もできそうなくらい快適なんだとか。そして2人は見事に60分以上、板の上にとどまることに成功。ローズ役の男性は「ジャックの死は不要だったんだ」と言い放った。
実験後、ジェームズ・キャメロン監督へ報告する『怪しい伝説』の2人。結果を告げられた監督は「嘘だろ」と顔をしかめるも、続いて独自の論理を展開した。「2人は重要なポイントを忘れているよ。脚本には『ジャックが死ぬ』と書いてあるんだ。だから、ジャックは死ぬしかないんだ。もしかしたら、板をもっと小さくしておくべきだったかもしれない…けど、ジャックは死ぬんだよ!」

さらに、ジェームズ・キャメロン監督へのインタビューでもこの問題が再浮上。インタビュワーが、「『タイタニック』といえば、聞かないワケにはいきません。あの板にレオ(ジャック)も乗る余裕があったのか。少なくとも私はあったと思う」と切りだすと、ジェームズ・キャメロン監督は笑いながらもこう答えた。

「そこか? その答えはとってもシンプルだよ。脚本の147ページには、『ローズを救うため、ジャックは板から降り、板をローズに譲る』と書いてあるんだ。だからどれだけ科学的な検証をしても、彼は死ぬ運命なんだよ。『怪しい伝説』のことだろ? いいか? ジャックは華氏28度(摂氏マイナス2度)の水の中にいる。頭が低体温症になる。そんな中、『怪しい伝説』では自分とローズのライフジャケットを外し、さらに板の下に潜り込み、上手にくくり付けると言ってる。そんなこと実際は不可能だよ。ジャックにとっては、上半身だけでも海水から上に出して、死ぬ前に救助されることを願うことが最良策だったんだ。あの番組の2人は面白い人たちだったし、番組は楽しかったよ。だけど、あの説はデタラメさ」

ぐうの音も出ないとはこのこと。シナリオに書かれた宿命からは、たとえ甘いマスクのレオ様でも逃れられないようだ。