女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。

今回、お話を伺ったのは、関本成美さん(仮名・35歳)。彼女はアート系のギャラリーとカフェを運営する会社の契約スタッフです。容姿はとてもかわいく、ほっそりしていて、目が大きく、時折、アヒル口をします。自分で自分のことを容姿が優れている、と認識しているタイプの女性です。

ネイビー系のボーダーのシャツにベージュのガウチョパンツをはいており、コートはMA-1ジャケット。バッグは黒色の合皮のトートバッグで、グレーの大きなファーのポンポンをつけていました。ヘアスタイルはロングヘアを無造作にシニョンにまとめており、色っぽいですが、こめかみ部分に数本の白髪が混じっていました。

喫茶店で会ったのですが、テーブルの上に置いたスマホの画面はバキバキにひび割れており、ディズニーのキャラクターの赤色の水玉模様のケースを装着していました。余談ですが、成美さんは口臭がテーブル越しでもにおってくるほど強い。歯並びはよく美しいので、きっと胃が悪いのだと感じました。

現在の収入は手取りで月15万円。SNSで知り合った女性と東京都北区のアパートでルームシェアしており、家賃は5万円だといいます。

「一時期、夜のバイトの日雇いで綱渡りな生活をしていたので、定収入が15万円あるのはありがたいのですが、10万円じゃ食べていくだけで精いっぱい。私にお金がないのは、スマホ見ているとついショッピングサイトで買い物してしまうので、カードの支払いに毎月追われているから。先月は12万円の請求が来てしまい、夜のバイトを入れてなんとかしのぎました」

成美さんは有名な私立大学を卒業し、中堅の印刷会社に就職するけれど、2年で転職。その後も、1~2年の短期間で転職を繰り返し、現在は8社目だそうです。

「見習社員を1年間続けたら、正社員にしてくれると社長は言っているんですが、最近はお客さんも減っているしどうなるかわかりません。今の仕事は、カフェの運営がメインです。接客とレジ、簡単な調理も行なっています。アート系のカフェなので、そんなにお客さんも来ないし、不動産投資で儲けているオーナーの趣味でやっているようなものなので、いつまで続くかわかりません。ギャラリーかカフェかよくわからない店舗形態で、最近は雑貨なども扱うようになって、私もどう頑張っていいかわからないんですよね」

最初の転職のきっかけは、みんなの憧れの先輩であり、同期の彼氏だった男性が成美さんに手を差し伸べたこと

キャリアについて伺うと、“転職貧乏ですよ”と笑います。

「最初に就職した会社は、同期からガン無視されて、帯状疱疹が出るくらい病んで、辞めました。仕事も男性社員の営業補佐的な感じで面白くなかったし。その後、給料に惹かれて超ブラックな広告代理店、先物取引会社、介護施設の運営会社に入りしましたが、全部人間関係がダメで続きませんでした」

最初は仕事を頑張るけれど、その頑張りが長続きしないのだ、と成美さんは続けます。

「仕事ってつまらないじゃないですか。結果的に仕上がればいいのに、そのプロセスを重視するというか……私、最初の印刷会社にいたとき、社内用のミーティング資料を10部つくったときに、誤字を見つけて、修正液で直したんですよ。紙ももったいないし、また入力しなおすのもメンドーだったから。で、その資料を会議で配布したら、チームリーダーがブチ切れ。“ビジネスの書類に修正液を使うなんて非常識極まりない”とか言うから、私、思わず泣いちゃったんです。それから同期のシカトが始まったんですよね」

“チームリーダーに怒られたから同期にも無視される”と語る成美さんですが、筆者にはイマイチそのつながりがわからず、会社を辞めるまでに追い込まれるほどの無視と、その背後の人間関係について伺いました。

「会議で泣いたときに、けっこうカッコいい先輩が飲みに誘ってくれて、話しているうちにそういうことになってしまって。しかもその先輩は、同期の彼氏だったんですよね。結局、私が略奪したことになって、無視やイジメがエスカレートして、会社を辞めました」

年収180万円の成美さんは、お金が無くなると食事代わりに牛乳を飲む。

他人の恋人だから欲しくなる……歪んだ承認欲求の先にある貧困とは?〜その2〜に続きます。