堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が回答する本連載。今回の相談者は、今野静香さん(仮名・34歳・求職中)。

「半年前、社内不倫が原因で解雇されました。既婚者の10歳年上の他部署の上司と、1年間交際していました。男女関係になったきっかけは、去年の新年会の後に、猛烈にアピールされ、流れで一緒に泊まってからです。彼はカッコよくて年収も高いのですが、マンションのローン返済が大変らしく、自由に使えるお金が少ない。だから、交際当初から、私のひとり暮らしのマンションに遊びに来て、おうちデートをしていました。私は、相手側の男性に金銭的な負担がかかることはしていません。プレゼントをもらったこともありませんし、経済的な援助を受けたこともありません。

交際が会社にバレたきっかけは、私ばっかりソンをしているような気がして、その不満が爆発し、同僚に不倫にまつわる不合理を相談したこと。お酒が入っていたこともあり、今思うと、交際の実際的な部分まで結構突っ込んだことをしゃべっていたと感じます。

その交際は、あっという間に社内に拡散……社員は80人規模の輸入関連会社なのですが、相手の男性は役員候補と言われるほどの人だったので、かなりのスキャンダルっぽい扱いになりました。社内中の全員の表情が、不倫を知っているような状態。彼は明らかに私を避けるし、私自身もそれにイライラしてしまったりして、気まずい雰囲気に。

私は彼が久しぶりにできた恋人だったので、大切にしたいし、されたかったのですが、事態はその真逆の方向にすすんでしまいました。結果的に私は出社するのが厳しくなり、そもそも事務方だったのに、営業に異動させられ、慣れない仕事で体調を崩しました。彼は全くお咎めなしで、私だけ会社を辞めるように追い込まれて、結果的に辞表を提出しました。

不倫とはいえ、恋愛はプライベートな問題です。これが原因で実質的に解雇と言うのは、不当に重い処分のような気がしますが、妥当なのでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは次のページへ

恋愛は、本来自由に行なわれるべきものですが、不倫は相手の配偶者との関係では不法行為になるものです。

社内不倫や、場合によっては社内恋愛も、社内の秩序維持を乱す行為等として禁止することについては全く不合理だとは言えません。

なぜなら、恋愛中の男女が始終ラブラブしていて仕事効率が下がるとか、交際態様が目に余り社内の雰囲気が悪くなるといった面が考えられるからです。また、担当者限りに課せられている企業秘密の保持が危うくなったり、不公平な業務命令が実施されるなど法的リスクという点も考えられるからです。

就業規則の確認が必要であり、また具体的な状況に応じた判断になるところと思われます。速やかに労働問題に詳しい弁護士に相談をしてください。

一般人であっても、不倫は社会的制裁を受ける傾向が高まりつつある。



■賢人のまとめ
労働問題に詳しい弁護士に、すぐに相談をしたほうがベター。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/