<「アメリカファースト」を謳うトランプ政権の誕生によって、従来の安全保障が維持できるのか不安視していた韓国。マティス国防長官の訪韓により同盟維持とサード配備が再確認され当面の懸念は払拭されたが、それは朝鮮半島情勢の不安定化を呼ぶ危険もはらんでいる──>

韓国を訪れているジェームズ・マティス米国防長官は、3日ソウルで「米韓同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の重要な軸である」と語り、「アメリカと同盟国に対する北朝鮮の攻撃は必ず撃退する。どのような核兵器の攻撃にも圧倒的な報復で応じる」と、ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮に強い警告を与えた。

(参考記事:訪韓のマティス米国防長官が北朝鮮に警告「核兵器には圧倒的な報復」

トランプ政権の初代国防長官についたマティスが、今回就任早々、初の外遊先に日本と韓国を選んだのは、トランプが選挙期間中に両国に対し駐留米軍の費用負担増や、アメリカに頼らず自主防衛を求めるなど、従来の日米韓同盟の在り方を根本から揺さぶるような発言を繰り返したことに対する、謝罪と同盟を確認するという意味がある。

(参考記事:初外遊は日韓「謝罪ツアー」、新国防長官マティスの狙い

実際、マティス自身、韓国に対しては強い思い入れがあるようで、韓国メディアの文化日報によれば、韓国の韓民求(以下、ハン・ミング)国防部長官との会談冒頭、「私は21歳のとき、少尉としてこの勇敢な国を訪問した。また来ることが出来て嬉しい」と語り、自らが韓国の「友人」であることを印象づけた。

マティス国防長官は、北朝鮮のミサイル実験への抑止力として注目される高高度ミサイル防衛システムTHAAD(以下、サード)についても、「北朝鮮の脅威に対してサードと在韓米軍の配置を支障なく進めていく」いう立場を明確にした。 サード配備の日程については、今年中に配備して運用開始するという従来の計画どおりに推進することで合意した。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部