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 京都大学などの研究チームは、6カ月の乳児を対象とした実験によって、乳児が「攻撃されている弱者を助ける第三者」を選好することを証明し、「乳児は正義の味方を肯定することを解明」した、と発表した。

 さて。正義、とはそもそも何であろうか。哲学的な議論をすることが目的ではないので、辞書を引いてみよう。大辞泉によれば、「人の道にかなっていて正しいこと」であるという。今回紹介する研究に関して言えば、研究チームは正義というのはつまり「攻撃されている他者のために、その身を投げ出して助けるような行為」のことである、としている。

 我々は正義を肯定する。これは一般通念においてその通りである。問題は、人は、どのようにして、正義という観念を獲得するのか、という点である。人は「何が正しいか」を成長と共に学習するのか。それとも、生まれながらに、自己犠牲的利他行動を肯定する性質を備えているのか。

 結論をいえば、これは後者である、というのが、今回の研究である。では、実験の詳細を見てみよう。

 実験では、6カ月児を対象に、3つの動体を示した。攻撃を受ける者、攻撃を加える者、そして第三者である。第三者が何もしない場面と、また別の第三者が攻撃を受ける者を守る行動を取る場面を交互に提示し、しかるのち実験場面中の「第三者」と同じ色形の人形を与えたところ、乳児は何もしない第三者より、攻撃を受ける者を守る行動を取った方の第三者の人形を好んだという。

 研究チームは、この結果をもって、「人には、正義への憧憬が、生来的に備わっている可能性が示された」としている。であるならば、人々がたとえば「スーパーマン」や「バットマン」のような、弱気を助け強きをくじくヒーローたちの行動に熱狂するのも、生まれながらの性質であるのだ、と考えられるわけである。

 なお、この研究の詳細は、「Nature Human Behaviour」誌オンライン版に掲載されている。