外為どっとコム総合研究所のシニアテクニカルアナリストの川畑琢也氏(写真)は、「ドル/円は、週足が崩れていないためドル高・円安の基調にあるものの、当面はトランプ米大統領の発言などを手掛かりに、1ドル=110円割れのドル安・円高を試す局面にある」と見通す。

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 外為どっとコム総合研究所のシニアテクニカルアナリストの川畑琢也氏(写真)は、「ドル/円は、週足が崩れていないためドル高・円安の基調にあるものの、当面はトランプ米大統領の発言などを手掛かりに、1ドル=110円割れのドル安・円高を試す局面にある」と見通す。
 
――ドル/円を見通すポイントは?
 
 今年1月のドル/円の値動きは、1日平均1.50円になっている。これは、16年1月の1.22円、15年1月の1.32円、14年1月の0.93円と比較して、かなり大きいことがわかる。ところが、1月半ば以降、2月初めにかけては日足は112円から115円の往来相場になり、次の目標値がつかみづらい展開になっている。
 
 チャートポイントをみると、日足で一目均衡表の基準線(115.30円台)が抵抗として機能し、かつ、雲の中に入ってしまっているので、目先は下値(ドル安・円高)を試しやすい局面だ。週足でも一目均衡表の転換線を下抜けたことで、目先は雲の上限(111.60円台)が下値支持となるか注目されるところ。割ると基準線(109.09円台)に向けた一段安も考えられる。
 
 ただ、下落が110円近辺でとどまるようであれば、週足は崩れていないと考えられるため、基調としてのドル高・円安の見方を変える必要はない。ただ、今年の高値である1ドル=118.66円の突破は遠のいたといわざるを得ない。
 
 当面の予想レンジは1ドル=109円〜116円とみる。どちら方向に動くかというのは、ひとつにはトランプ大統領の発言次第だ。2月28日の議会演説は注目される。また、10日の日米首脳会談、16日のイエレン議長の講演なども材料視されそうだ。日銀に動きが出そうにないため、当面は米国発の情報に注意したい。
 
――ユーロ/ドルが値上がりしてきているが、今後の展望は?
 
 1ユーロ=1.0339ドルを下値に1.0801ドル台まで堅調に戻ってきた。1ユーロ=1ドルのパリティは遠のいたといえるだろう。この値上がりの背景は、ユーロ圏の経済指標が良好なことが手掛かりになっている。12月のインフレ率が1.8%とECB(欧州中央銀行)の目標に近付き、ユーロ圏の16年第4四半期GDP成長率は速報値で1.8%と市場予測の1.7%を上回った。また、1月のPMI(総合購買担当者指数)も50を上回り強い。ここに、トランプ大統領によるドル安志向の発言などが加わって、ユーロが押し上げられている。
 
 テクニカル的には、すでに一目均衡表の転換線を突破し、基準線(1.0852ドル台)突破をめざしている。基準線を突破できると、雲の下限(1.1115ドル台)まで反発余地が広がる。薄い雲を抜けるようなことがあれば、三役好転となり、一段高の期待も高まる。すでに日足は雲の上限(1.0825ドル台)を突破しそうな勢いで、突破すれば三役好転となり、週足の雲上抜けトライへの期待が高まる。
 
 ただし、現在のドル安がトランプ大統領の発言などを手掛かりとしたものであるだけに、米FRBの利上げなど金融引き締めが出てくれば、ドル高に転換する可能性もある。今年、ユーロ圏ではオランダ、フランス、ドイツといった主要国で選挙があり、その結果いかんではユーロが再び弱くなることもあることは意識しておきたい。当面の予想レンジは、1ユーロ=1.06ドル〜1.11ドルとみる。
 
――その他、注目の通貨ペアは?
 
 ポンド/ドルが、チャートの形がダブルボトムを形成しそうになっている。ネックライン(16年12月6日の高値1.27735ドル)を突破できるかどうかに注目している。ネックラインを突破してダブルボトムの形成が確認できると、上値のメドは1.35671ドルになる。
 
 ポンドには、いわゆる「ハードブレクジット」の懸念があり、EU離脱に伴って経済に大きな混乱が起こるのではないかと懸念されてきたが、足元の経済指標は、ポンド安をきっかけに好調であり、ハードブレクジットへの警戒感は後退している。また、インフレ率も高まってきている。チャートの好転を追いかけるようにして、好調な英経済指標などが目立ってくれば、上昇に弾みがつきそうだ。
 
 ポンド/ドルの先物取引では、ポンドのショートポジションが16年10月のピークから徐々に縮小を続けているところ。1ポンド=1.5ドル台程度まではショートポジションの解消によるポンド買いも期待できる。
 
 下値は1.2ドルで3点底を付けに行くパターン。当面は1ポンド=1.2ドル〜1.35ドルのレンジを予想する。