DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」11回目のボヤきは「やりがいと安定、どっちをとればいい?」です。

【今週のボヤき】

フリーでやってきた仕事はやりがいがありました。いろいろなところで重宝してもらい自信もつき年収もそこそこにあり、たまにイラつくことはあっても楽しかったです。しかし、先の不安から仕事を入れすぎて働きすぎてしまい、いつもヘトヘトでした。そんなとき大手の会社から就職の話があり、安定を求め飛びつきました。まわりの人は優しいし優秀だし、土日は休めるし、早く帰れるし、環境はとてもよいです。もちろん福利厚生もしっかりしていて年収にも不満はありません。だけど、「会社の歯車」感が強くやりがいがないんです。どこへ行っても不満はでるし、わかりやすい条件で選んだものの、私の人生をこれでいいのかな……というモヤモヤも拭えません。一方で人間ドックで病気が見つかり、会社員であることに感謝したことも確かです。 慣れていくしかないのでしょうか。

フリーは常に不安との戦い

フリーって不安との戦いが常なんですよね。

仕事がどれだけあるのか自分で把握しちゃっていますから、生きていけるリミットが可視化されちゃっているんですよ。

今年はなんとか生きていける仕事があっても、来年も仕事がある保証なんてどこにもありませんし、人によっては来月の仕事があるかどうかもわかりませんし。不安を実力で1日1日塗りつぶしていくしかないわけです。

どれだけの年収を稼ごうがその不安は消えないもので、ずっとずっと未来の不安と戦い続けていかなきゃならないのがフリーのさだめみたいなものなんですね。

「安定かやりがいか、それは問題ではない」

そのプレッシャーを考えたら確かに企業という組織の一員になった方がストレスは軽減されると思います。でもそれで安心かといえば否です、それは未来の不安がなくなったわけではなく、未来の不安を会社に託しているだけですからね。フリーでも会社員でも一寸先は闇です、来年再来年の保証なんてどこにもありません。

大企業に入ったからもう一生安泰だと思ったら大間違い。その安心を作るために多くの人が未来の不安と戦っているのをまだ知らないだけで、不安の重責から解放されたわけではないんですよ。

安心を勝ち取っていく実感こそが「やりがい」

安心は誰かに与えてもらうものではなく実力で勝ち取っていくもの。それはフリーでも会社員でも同じなんです。そしてその安心を勝ち取っていく実感こそが「やりがい」というもので、それは不安を感じられる人でなければ得られないものなんですよ。

やりがいと不安はセットですからね、大企業に入ってそれだけで安心しているような無責任な人にはやりがいは一生得ることはできないでしょう。

会社員でもフリーでも自分の未来の責任を持っている人ならやりがいは見つかります。その責任から逃れようとする人は会社員でもフリーでもいずれプレッシャーに潰されてしまう人です。

環境の問題ではなく個々の責任能力の問題ということですね。「安定なんてどこにもない」ということは重々心に刻み込んでおいた方がいいですよ。

隙あらば生き馬の目を抜く社会という戦場にいることを忘れないように。