<ウクライナ東部で2年半ぶりに戦闘が激化している。トランプ政権を試すために、ロシアが親ロシア派を煽っている可能性もある。アメリカが見放せば、親欧派の政権はもたない。NATOやEUは今、トランプの出方に警戒を強めている>

ウクライナ東部で週明けから親ロシア派とウクライナ政府軍の戦闘が激化している。2014年9月のミンスク合意による停戦で「凍結された紛争」が再燃し、ドナルド・トランプ米大統領率いる新政権のロシアに対する戦略と力量が初めて本格的に試されている。

ロシアの支援を受けた親ロ派が1月29日の日曜日、ウクライナ政府軍が支配するドネツク州の工業都市アフデエフカに攻勢をかけ、周辺地域で一気に衝突がエスカレートした。政府軍の兵士十数人が死亡した模様だ。前日の土曜には、トランプが大統領就任後初めてロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行ったばかりだった。

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欧州安保協力機構(OSCE)の停戦監視団によると、日曜だけで少なくとも2300発の砲弾、迫撃砲、ロケット弾による攻撃が行われた。停戦合意後も前線では日常的に小競り合いが続いていたが、これほどの規模の交戦は異例だという。

警戒強めるウクライナとNATO

一方、ウクライナ政府軍も親ロ派支配地域との境界に設置された中立地帯に侵攻中とみられる。ウクライナ政府はこれまでより弱い立場で再び交渉のテーブルに就くことを見越して、わずかでも支配地域を広げようとしているようだ。

ロシア寄りのトランプがプーチンと電話会談を行ったことで、ウクライナ政府とNATOは警戒感を強めている。アメリカがウクライナ政府へのテコ入れを控え、ウクライナ問題の解決をプーチンに任せる可能性があるからだ。

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匿名を条件に取材に応じた米国防総省の高官によれば、トランプ政権下でロシアが「どこまでやれるか」試すために、新政権発足後ロシアがウクライナへの介入を強めることは国防総省内ではかなり以前から予想されていたらしい。

戦闘の激化に加え、水曜にはウクライナの輸送機がロシア軍の対空射撃を受けたという報道があった。こうした情勢から「ロシアは平和的な姿勢を見せる気はない」と、昨年末までNATO事務次長を務めていたアレクザンダー・バーシュボーはみる。

「トランプ政権がウクライナ政府と距離を置き、(ウクライナの大統領)ペトロ・ポロシェンコに自力でロシアと交渉しろと言うかどうか試す気だ」と、バーシュボーはロシアの意図を解説する。アメリカに見放されれば、「もちろんポロシェンコ政権はつぶされるだろう」

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ポール・マクリーリー