『ハリー・ポッター』シリーズの生みの親であり、世界で最も有名な小説家のひとり、J・K・ローリング。歯に衣着せぬ発言や機転をきかした返しで、これまでも度々SNS上で言葉のバトルを繰り広げてきた彼女が、またも痛快なやり取りを見せてくれた。

ことの発端は、先月の29日にマイク・ペンス現アメリカ副大統領の過去のツイートを引用し、トランプ政権に対する批判をぶつけたことだった。

「イスラム教徒であることを理由にアメリカへの入国を禁止することは攻撃的であり、違憲だ」
難民や移民のアメリカへの入国を制限する通称「Muslim Ban(イスラム教徒の追放)」と呼ばれる大統領令が、世界中で波紋を呼んでいる。2015年12月にマイク・ペンス氏がツイートした上記内容は、その大統領令に実際は反対している、もしくは反対していたことを示唆しているよう。

聖書から言葉を借り、マイク・ペンス氏に助言をしたJ・K・ローリング。

「世界を手に入れても魂を失うのであれば、何の価値があるのだろうか」と言う趣旨の言葉を『マタイによる福音書』から引用。

一連の投稿を見たトランプ支持派の『ハリポタ』ファンが激昂。ファンをやめると公言する人や、J・K・ローリングを魔女呼ばわりする人、そして『ハリポタ』シリーズの作品を燃やすと宣言する人が続出し、Twitter上は彼女に対する嫌がらせのコメントにあふれた。

ところが、彼らが相手にしているのは「書くことに関しては一流の中の一流」であるJ・K・ローリング。むしろこんな時こそ腕が鳴るというもの。ウィットに富んだ痛快な返答で、次々とアンチを斬っていく。

元ファン:「このツイートを記事で知ったよ。あなたの本とDVDを燃やします」
ローリング:「あら、DVDを燃やしたら体に悪いわ。だけどあなたからすでにお金は受け取ってることだし、どうぞ私のライターを使って」

元ファン:「17年前からファンだったけど、全冊燃やしたわ。『賢者の石』は読書を始めた頃に読んだ本だったの。だから、こんな風になってしまって残念。あなたを恥ずかしく思うし、とても不快な気持ちになったわ。一生あなたの本は読まない。#17年間ありがとう」
J・K・ローリング:「"独裁者の盛衰について書いてある本を読ませることはできても、自分の頭を使って考えるように促すことはできない"って、本当ね」

J・K・ローリング:「敵がいる? それは良かった。敵を作るということは、何かのために立ち上がったことがあるということだから。(ウィンストン・チャーチルの名言)」
ユーザー:「トランプ大統領にピッタリな名言だ。彼は素晴らしいことのために戦っていて、あなたは彼の敵だ。最低な作家さん」
J・K・ローリング:「は〜…。私ももっと努力すれば、カエルのイラストの後ろに隠れている寂しい童貞に生まれ変われるかもしれないわね」

ユーザー:「空想のオタク少年の後ろに隠れている、年寄りの尻軽女とそのフォロワーがよく言うよ」
ローリング:「あなたがフードを被ったチワワでない限り、少なくとも私の方が"隠れてない"って面では勝ってると思うわ。だけど"Old Whore(年を召した売春婦)"ってフレーズは気に入ったわ。#シェイクスピアのよう」

このようなやり取りが数日間続いた後、J・K・ローリングは"本当のファン"への感謝を示した。

「優しいメッセージを送ってくださった皆さん、ありがとう。中傷よりもはるかに多くの数が届いたわ。それでは、さらなる火の種を作りに行ってきます」と言い、政治にまつわるツイートを続けている。トランプ氏の支持者との戦いはまだ終わらない…!?

実のところ、『ハリポタ』作品を燃やす運動が起こったのは、これがはじめてではない。2001年にも、「『ハリポタ』シリーズは、悪魔の仕業だ」と信じる人々がニューメキシコ州に集まり、本を燃やすという奇怪な行動に出たことも…。また燃やさずとも、「サタンの本である」や「魔術を推進している」というこれまた奇怪な理由から図書館に置かないことを決定する学校もあったとか。

そんな運動や誹謗中傷に対し、「全く気にしないわ。1度も、『あなたの本を読んで魔女になろうと思った』なんて言われたことはないもの」と、どこ吹く風を貫くJ・K・ローリング。つ…強い!

そして例によって、彼女は今回もまったく気にしてないみたい。その証拠に、こんなコメントを残している。

「今後は2冊セットで販売しようかと思ってるの。1冊は読む用、1冊は燃やす用。魔法好きだけどモラルにかけてる人専用にね」