かつての常識を覆す結果に(画像は国立成育医療研究センタープレスリリースより)

写真拡大

生後6か月から卵を少量ずつ摂取させることで、卵アレルギー発症を8割抑制できる――国立成育医療研究センター・アレルギー科の大矢幸弘医長、夏目統医員(現・浜松医科大学小児科)らをはじめとする研究グループによる、日本人を対象とした報告だ。

かつては、卵やピーナッツなどのアレルゲンとなる可能性が高い食品は、離乳期早期からの摂取は避けるべきとされていた。

しかし、近年、英国や米国などで実施された大規模な疫学調査や比較試験の結果から、むしろ早期摂取によって食物アレルギー発症が抑制されることが確認されており、日本人でも同様の効果が確認できるか、検証が待たれていた。

研究チームは、食物アレルギーの発症率が高い、生後4か月までにアトピー性皮膚炎を発症した乳児147人を対象に、卵を食べるグループと食べないグループに分類。生後6か月の時点から6か月間摂取を続け、12か月時点の卵アレルギー発症状態を調査している。

卵を食べるグループは、1日に加熱卵粉末50ミリグラム(固ゆで卵0.2グラム相当)から開始し、生後9か月からは250ミリグラム(固ゆで卵1.1グラム相当)を摂取。食べないグループは同量のかぼちゃ粉末に置き換えられた。

その結果、卵を食べたグループでは卵アレルギー発症率が8%だったのに対し、食べなかったグループでは38%となり、早期摂取で有意に発症が抑制されていた。早期摂取の有効性を示す研究結果ではあるものの、今回の研究は食物アレルギーの発症予防効果を確認するもので、すでに卵アレルギーと診断されている乳児への鶏卵摂取は推奨していない。

また、卵の加熱が不十分だと抗原性が高くなり危険性が増す可能性や、適切な摂取量、期間を個人で調整することは困難であり、研究グループは、「摂取にあたっては必ずアレルギー専門医に相談してほしい」とコメントしている。発表は、2016年12月8日、英医学誌「THE LANCET」オンライン版に掲載された。

参考論文
Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
DOI: 10.1016/S0140-6736(16)31418-0 PMID:27939035

医師・専門家が監修「Aging Style」