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2017年1月に施行された改正育児・介護休業法(正式名称: 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)。法律が改正されたことで、妊娠・子育て中の人たちには、どんなメリットがもたらされるのでしょうか。アディーレ法律事務所の岩沙好幸 弁護士にお聞きしました。

Q.育児・介護休業法はどのような目的で改正されたの?

育児・介護休業法は、労働者が、育児や介護を理由に仕事を退職しなくて済むようにし、仕事と家庭の両立ができるよう、制定された法律です。

今回の改正では、介護をしながら働く方や、有期契約労働者の方が育児休業、介護休業を取得しやすくなるよう、取得要件が緩和されたほか、介護休業の分割取得や、子の看護休暇の半日取得ができるようになっています。

近年は、正規雇用で働くだけでなく、有期契約で働く人が増えてきているなど、働き方や生き方が多様化しています。また、有期契約で働く人の中には、介護や育児をしながら働いている人も多いと思います。そのような社会の現状に合わせた改正ということもできるでしょう。

Q.有期契約の派遣社員やアルバイトの育休については、何が変わったの?

改正前の法律でも、有期契約労働者が育休を取得することはできました。
しかし、
(1)当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
(2)子の1歳以降も雇用継続の見込みがあること
(3)子が2歳になるまでの間に、雇用契約が更新されないことが明らかであること
といった要件がありました。

しかし今回の改正では、育児休業を取得する際の条件が以下に変わりました。
(1)当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
(2)子が1歳6カ月になるまでの間に、その労働契約が満了することが明らかでないもの

3年間かつ更新しない旨が明示された有期雇用契約の場合を例として具体的に説明しますと、例えば子どもが生まれるため、契約してから3年目に育児休業の申し出をした場合は、子が1歳6カ月に達するまでの間に、雇用期間が終了し、「雇用契約がなくなることが明らか」ですから、育休を取れないということになります。

一方、子どもが生まれるため、契約してから1年目に育児休業の申し出をした場合、子が1歳6カ月に達する日は契約期間内であり、「雇用契約がなくなることは明らかでない」ため、育休を取得できるということになります。

Q.子どもの看護のために取得できるお休みについては、何が変わったの?

今までは、子どもを看護するために休暇を取る場合、1日単位で取得する必要がありましたが、半日単位(所定労働時間の2分の1)で取得できるようになりました。

この休暇は、病気やケガの子どもの看病をするだけではなく、子どもに予防接種を受けさせたり、健康診断に連れて行ったりする場合にも、取得できます。そのため、例えば平日の午後、子どもに予防接種を受けさせるような場合、午前中だけ仕事をして、午後だけ休むということが可能になりました。

仕事は単に生活のためというだけではなく、人の生き方そのものと言える場合があり、人生において非常に重要なものです。育児・介護については、家族の面倒をみることであり、現在の社会において、より重要な行為となっているように感じます。

今回の改正で、仕事と育児・介護の両立が、よりしやすくなりました。また雇用側にとっても、優秀な人材を確保できるという点で、メリットが大きいように思います。雇用する側もされる側も、この制度を適切に利用することが、社会の発展に資することになるでしょう。

※画像はイメージで本文とは関係ありません

○筆者プロフィール:岩沙好幸(いわさよしゆき)

アディーレ法律事務所所属(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。

(アディーレ法律事務所編)