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By Monkai Chen

知性や創造性といった能力は生まれつき決まっているのではなく、自分で伸ばすことができるという思考態度は「グロース・マインドセット(成長する考え方)」と呼ばれており、欧米ではグロース・マインドセットについて書かれた書籍「マインドセット『やればできる! 』の研究」がベストセラーになるなど、大きな注目を集めています。この「グロース・マインドセット」を育むのに、「失敗」から学ぶ思考プロセスが必要だとする論文が発表されており、子どもの教育方法の参考になりそうです。

Neural evidence for enhanced attention to mistakes among school-aged children with a growth mindset

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878929316302183

Kids should pay more attention to mistakes, study suggests -- ScienceDaily

https://www.sciencedaily.com/releases/2017/01/170130100240.htm

アメリカのミシガン州大学の研究チームが「グロース・マインドセット」と「失敗」の関係性を調べるべくある実験を実施。実験は、5歳〜8歳の子ども123人(女子62人、男子61人)を対象に、能力や知性は学習すれば成長すると信じるグロース・マインドセットを持つ子どもと、能力や知性は生まれつき固定されていて変わらないと信じるフィックスト・マインドセットを持つ子どもの2グループに分け、タスクを実行してもらいながら脳の動きをリアルタイムで観察するというもの。子どもたちが行ったのは「ディスプレイの画面に動物が表示されたらスペースキーを押して捕まえる。ただし、友達であるオランウータンは捕まえる必要がない」というタスクで、スピードと正確性が求められます。



By Philippe Put

実験の結果、グロース・マインドセットを持つ子どもは、ミスを犯したときになぜ間違ったのかを考え、次のタスクでミスを改善しようとしていたことが脳の反応から判明しました。一方、フィックスト・マインドセットを持つ子どもは、間違いを犯した後にミスをした事実から立ち直ろうと努力するのですが、これは子どもがなぜミスを犯したのかしっかりと考えていたときにのみ確認されました。これまでの研究では、フィックスト・マインドセットを持つ人はミスを犯した事実を受け入れることに難色を示し、中にはミスを犯した後に得意な他のタスクに取りかかって自己を防衛しようとする人までいることがわかっていました。

しかし、今回の実験ではフィックスト・マインドセットを持つ子どもでも、犯した失敗に目を向けることができれば、グロース・マインドセットを持つ子どものようにミスから学習して次に生かせられることが判明したわけです。



By erin m

実験を率いたハンズ・シュローダー博士は「多くの親や先生は、子どもが間違えても『大丈夫。次はできるから心配しないで』となぐさめる傾向があります。しかし、間違いは、何がどうなってミスを犯してしまったのかを考える絶好の機会です。子どもにアドバイスをするのであれば、なぐさめるのではなく『ミスは誰でも犯すもの。だから、なぜミスを犯してしまったのかを考えようね』と言うべきです」と述べています。

なお、「グロース・マインドセット」については以下の記事で詳しく書かれています。

「成長する考え方」と「成長できない考え方」の違いが20年の研究で明らかに - GIGAZINE