<朴槿恵(以下、パク・クネ)大統領に対する弾劾決議により、韓国政界は任期途中での大統領選挙を前提として年明けから大きく動き出している。その中心に立ってきたひとり、潘基文(以下、パン・ギムン)前国連事務総長が、1日予定外の記者会見を開き、まさかの大統領選不出馬を宣言した──>

青天の霹靂とはまさにこのことをいうのだろうか? 1日午後、パン・ギムンが記者会見を開き、語った言葉は取材陣の予想に反したものだった。

「国民大統合を達成しようと抱負を語ったことが、国連から帰国後、この3週間の短い時間だった。しかし、このような純粋な愛国心と抱負は、私の人格に対する攻撃、偽ニュースによって政権交代の名分が無くなり、私自身や家族、そして10年間奉職した国連の名誉が大きな傷をつけられ、結局、国民に大きな迷惑をかけるようになった」

韓国メディア・マネートゥデイによると、この言葉を聞いた取材陣はざわめき、記者会見が出馬取りやめの発表だと気づいたという。パン・ギムンはことここに至ったことへの悔しさもにじませた。

「一部の旧態依然として偏狭な利己主義の態度に極めて失望した。 彼らと一緒に道を行くのは無意味だという判断に至るようになった。私が主導して政権交代し、国民統合を実現しようとした純粋な気持ちを取り下げる」


大統領選挙不出馬を表明するパン・ギムン(c) TVCHOSUN 뉴스 / Youtube

パン・ギムン陣営の側近も今回の不出馬表明はほとんど知らされていなかったようだ。事実、今日のパン・ギムン陣営は、韓国の政治の中心地・汝矣島に大きなオフィスを借りる契約を行う予定で、大統領選挙に向け本格始動をするまさに当日だった。記者会見直前の昼食会でも陣営のスタッフらが、それぞれ記者たちと会って「最後まで走り抜く」と語っていたのだ。

だが、不出馬表明の会見が終わり、これまでの動きを再確認すると、パン・ギムンを取り囲む情勢が日に日に厳しさを増し、自ら不出馬をいわざるを得なかったことが理解できる。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部