浦和FW高木俊幸、腐らずに“本来の姿”を取り戻した男

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 本来の姿を見せられた――。15年に清水から浦和レッズに移籍したFW高木俊幸だったが、初年度のレギュラー奪取は叶わず、2年目の16年も夏場前まではスターティングメンバーに名を連ねることはできなかった。加入以降、悔しい時期を過ごしてきた男だったが、「腐らずにやってきた」ことで、ようやくチャンスをつかみ取る。

 J1リーグ第2ステージ第5節鹿島戦(7月23日)以降、先発出場を続けていた。なかなか結果がついてこなかったものの、自らの力でその存在価値を証明する。8月31日のルヴァン杯準々決勝第1戦・神戸戦で昨季公式戦初ゴールを奪うだけでなく1アシストを記録すると、「点を取っていた余裕があった」と続く第2戦では2ゴールを奪取し、チームを準決勝へと導いた。試合後には「本来の自分がやっと見せられた気がする。自分もこういう仕事ができると早く見せたかった」と充実した表情を浮かべていた。

 その後もシャドーの一角を担い、9月25日のJ1第2S第13節広島戦でリーグ戦初ゴールを記録すると勢いは加速。10月1日に行われた翌節のG大阪戦、10月5日のルヴァン杯準決勝第1戦・FC東京戦でもネットを揺らして公式戦3試合連続ゴールを奪うなど、存在感を高めていった。

 そして、10月15日のルヴァン杯決勝・G大阪戦でもスターティングメンバーに名を連ねると、積極的にシュートを狙い相手ゴールを脅かし続ける。後半31分にピッチを後にしたものの、チームはPK戦の末に勝利を収めて13年ぶりに2度目の頂点へとたどり着き、高木も自身初タイトルを獲得した。今まで味わったことのない感情が込み上げてくる。試合後にはチームメイトが喜びを爆発させる中、背番号13はピッチ上に座り込んで涙を流した。

「清水時代(12年)に一度決勝に行って負けた経験もあったし、自分自身にとって初めてのタイトルだった。それにカップ戦を通して、自分が点を取って勝てた試合もあったし、優勝に貢献できたかなと思える大会だったので、本当にうれしかった」と涙の理由を明かした。

 与えられたチャンスを逃さず、レギュラーの座を奪い取った。さらに攻撃を活性化し、自身もゴールに絡みに絡んだ。少しでもチームのタイトル獲得に貢献できた――。その自負があったからこそ集合写真に収まった高木の目に涙はなく、最高の笑顔を浮かべていた。

 その後もレギュラーの座を守り抜いてピッチに立ち、チームの勝利のために戦ったが、チャンピオンシップ決勝で鹿島に敗れ、あと一歩まで迫ったリーグタイトルを逃してしまう。チームにとっても、自身にとっても勝負の年となるべき今季、そのスタートに“本来の姿”を取り戻した高木の姿はなかった。右足第5中足骨疲労骨折と診断され、全治は約3か月。1月10日に手術を行い、開幕は絶望的になってしまった。だが、苦しい時期を乗り越えてきた男は、再び蘇るだろう。ピッチに戻ったとき、軽量性とフィット性を兼ね備えた『DS LIGHT 2』とともに自身の力を見せ付けるためにも、今は静かに牙を研ぎ続ける。

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