長澤まさみは美しい衣装と華麗なダンス、迫力のボーカルを披露する

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主演に長澤まさみを迎えて、再演となったミュージカル「キャバレー」の舞台。妖艶なダンスと圧倒のボーカルを披露する長澤の舞台をリポート!!

サリー(長澤・左)とクリフ(小池・右)の情熱的な恋を軸にベルリンの激動の時代を描き出す

 世界中で上演され続けている傑作ミュージカル「キャバレー」が松尾スズキ演出にて、10年ぶりに再演中だ。ヒロイン・サリー役にミュージカル初挑戦となる長澤まさみを迎え、石丸幹二や小池徹平、秋山菜津子といった実力派俳優、そして大人計画の俳優陣らが加わって、まさに松尾ワールドと呼ぶにふさわしい、他では見ることのできない「キャバレー」に仕上がっている。舞台となるのは1929年のドイツ・ベルリン。小説の題材を探すために、ドイツにたどり着いた駆け出しのアメリカ人作家・クリフ(小池徹平)。彼は、劇中の司会者であるMC(石丸幹二)の案内の下、退廃的なショーと刹那的な恋の駆け引きが繰り広げられるキャバレー「キット・カット・クラブ」を訪れる。クリフはそこで、ショーの歌姫・サリー(長澤まさみ)と出会い、意気投合。恋に落ちた2人は、クリフの下宿で生活を共にすることになる。女主人・シュナイダー(秋山菜津子)が管理する下宿には、心優しいユダヤ人果実商・シュルツ(小松和重)や若い娘・コスト(平岩紙)が住んでいた。住人たちとにぎやかな生活を送る一方で、ドイツはナチスの台頭により、さまざまな弾圧が始まりだした。それは「キット・カット・クラブ」にも及び、サリーはある選択を迫られることになる――。

 激動の時代を生きるサリーを演じた長澤は、初ミュージカルながらも、艶のある堂々とした歌声で世界観を表現。見る者を「キャバレー」の世界へ巻き込んでいく。さらにショーのシーンでは、セクシーな衣装で大胆な振り付けのダンスを踊りきり、当時のベルリンが擁していた、文化の退廃的な美しさや華やかさを体現! キャストとの積極的なキスシーンなど、挑発的なしぐさを演じても品を失わない長澤の個性が、サリーの天真らんまんさとその奥にある強さを描き出していく。中でも、クリフと初めてベッドを共にするシーンでは、セクシーな見掛けとは反して、無邪気で無防備な魅力を放ち、思わず目がくぎ付けになってしまうほど。長澤の演技を受け止める小池も、誠実で真面目なアメリカ青年を表現。包容力のある柔らかな歌声で、サリーと恋に落ちていく内面の変化を繊細に表現するのも見どころの一つだ。 さらに石丸をはじめとするキャスト陣が松尾の表現する笑いを形にすることで、作品中のシリアスな要素を浮き立たせ、華やかだが骨太な舞台に仕上がっている。