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By Nic Taylor

コーヒーは毎日のように世界中で飲まれていて、人間の生活や文化に深く入り込んでいるドリンクの1つ。このコーヒーのゲノム配列を解析して、よりおいしい味のコーヒーや、生産地の環境に適したコーヒー、病気に対して高い抵抗力を持つコーヒーの生産などを行うカリフォルニア大学のSeed Biotechnology Centerのムービーが公開されています。

Get Ready for Super Coffee Strains. Scientists Just Sequenced the Plant's DNA | WIRED - YouTube

コーヒーは世界中で飲まれているドリンクであり、コーヒー豆の種類や産地などは数え切れないほどあります。



また、焙煎の方法や……



ドリップの方法なども好みがわかれるなど、その方法は無限大。



コーヒー豆の種類や産地、ドリップ方法などにこだわりを持つ人は世界中にいるわけですが、そんな中でもトップクラスのこだわりを持ち、コーヒーをゲノム配列から解析を行い、解析したデータをコーヒー農家に提供している人たちがいます。



コーヒーのゲノム解析を行うカリフォルニア大学のSeed Biotechnology Centerのアレン・ヴァン・デインツェ氏が登場。ディエンツェ氏は「コーヒーのゲノム配列を解析するには、まずコーヒーの葉を集め、粉々に砕いてから界面活性剤やエタノールといった化学薬品を使ってDNAを抽出します。このときに非常に重要なのがDNAをできるだけ損傷せずに取り出すことです」と語っています。



Wiredのマット・サイモン記者。サイモン記者の左側に見えている大きな機械が、ゲノムを解析し全体の塩基配列の決定を行う装置です。



サイモン記者が手にしている小さな物体は「Smart Cells」と呼ばれるもので、中には150個の小さな容器が含まれているとのこと。この容器にコーヒーから抽出したDNAを注入し、装置に入れてゲノム配列の解析を行います。



機械でコーヒーDNAのゲノム配列を解析しているところ。青や赤、緑色のドットがディスプレイにたくさん表示されています。



装置でゲノムの短い配列を大量に読み込み重複させることで、ゲノム全体の塩基配列を決定します。この解析結果を調べることで、コーヒーの詳細な遺伝子情報を知ることができるそうです。



ゲノムは遺伝子がどのような構造になっているかを詳細に記した設計書のようなもので、「なぜこの種類の豆はアイスコーヒーに適しているのか、苦みが強いのか、成長が早いのか」など、コーヒーに関するありとあらゆる情報を理解するのに役立ちます。



コーヒー農家はSeed Biotechnology Centerが提供したデータを使い、例えば、その土地で成長しやすいコーヒーや、苦みの強いコーヒー、病原体に対して高い抵抗力をもつ強いコーヒーなどの品種改良に役立てることができるそうです。