「いいプレーができたと思います。先週(の試合で)は3日間しかできなかったことが、今週は4日間近くできたのかな、と思う。まだ半信半疑の自分もいるんですが、パッティングが悪くてもこのスコアが出せて、こんなにいいラウンドができたことはあんまりないですから」

 公傷制度を利用して今季ツアーに参戦している石川遼が、年明け2戦目となるファーマーズ・インシュランス・オープン(カリフォルニア州 トーリーパインズGC)で奮闘。年明け初戦の前大会、キャリアビルダー・チャレンジでつかんだ手応えをさらに深めて、4日間通算6アンダー、20位タイというまずまずの成績を残した。

 初日は、「結構やりやすいというか、好きなコース」と言っていたサウスコースのラウンドだったが、予選落ち必至か、というほど最悪のスタートとなった。出だしの2番ホールで1.5mのバーディーパットを1mオーバーさせて3パット。そこから、ショートパットをことごとく外して苦しいラウンドを強いられた。結局、上がり2ホールでも連続ボギーを叩いて、通算2オーバー、117位タイと出遅れた。

「難しいコンディションではなかったので、非常に残念な結果に終わった。とにかく、パッティングが悪すぎたので話にならない。5打ぐらい損をした感じがする。最初に短いのを外して、そこからずっと同じような(距離の)パットが残ってしまって......、リズムを取るのが難しかった。読みと、ストロークにも問題があると思うけど、思ったところに転がっていかなかった」

 ノースコースの2日目は、8バーディー、4ボギーと出入りの激しいゴルフとなったが、4つスコアを伸ばして、35位タイまで急浮上。予選通過を果たした。

「1日通してアイアンがよかったのが、今日のキー。今年のラウンドの中ではアイアンが一番よくて、アイアンがいいと風も苦に感じなかった。珍しくショットもピンについていた。ほんと、自分でも『珍しいなぁ』と思いながらプレーしていた。パットも、まだ100%の自信は持ててはいないけど、昨日からは修正できたと思います」

 決勝ラウンドに入っても、ショットはキレていた。だが、3日目は再びパットに苦しみ、何度もあったチャンスを生かせなかった。結果、「72」とスコアを伸ばすことができず、順位は42位タイに後退した。

「ドライバーとアイアンは、3日間通していい感じ。このショットだったら、本当は5アンダーぐらいで回らないといけないかな、と思う。結局、パッティングが......。自信を持ってラインを読めていない。構えてもラインが見えてこない。どこを通したらいいのか、わからない感じになる。いいときは、どんな芝でもココだなって(ラインが)わかるのに......、今週は1mちょっと(のパット)も入らない。自分が思った感じ、イメージと、結果がまったく合ってない。打った感覚と結果がズレすぎている。ほんと、50cmぐらいじゃないと真っ直ぐ打てない」

 最終日もパッティングに不安を抱えたままだったが、インスタートの18番でイーグルを奪うなど、「68」の好スコアをマーク。その成績には、石川自身、満足しているようだった。

「普段のラウンドに比べたら、フェアウェーに行く回数が多かった。こういうゴルフをすれば、この(難しい)コースでもアンダーでプレーできるのかなと思いました。先週も言いましたけど、(セカンドを)フェアウェーから打てれば、チャンスだなって思えるし、ゴルフの景色が違って見える。ドライバーがいいというのは、本当に大きい。

 ショットも、PGAツアーで4日間、ここまでいい内容でできたのは記憶にない。新たなことに取り組んでいて、それが自分でもいい方向にいっているのかなと思う。これを、これから何カ月も続けていけると、楽しみ。また、フェアウェーからの残り100ヤード以内はずっとサンドウェッジを使って、いろいろと試してきましたが、ようやく距離感に自信が持ててきた。すべては技術だと思う。それが、自信につながっていく」

 年が明けて2戦を消化した石川だが、この2戦でかなりの手応えをつかんだことは間違いない。今の出来なら、シード獲得だけでなく、ツアー初優勝も期待したくなる。

「今までにない次元のゴルフができていることは、自分でも感じる。(PGAツアーを戦ううえで)自分に一番足りないと感じていたのは、ドライバーとアイアンの精度。それが、今週は、4日間で(高い精度を保って)続けることができた。こんなことは今までになかった。ただ、今のプレーを『おっ、すごいな』と自分で思っちゃっている。それは、自分のスタンダードじゃないから。これを、自分のスタンダードにできれば、さらにもっと上げていければ......。(優勝争いに加わる選手とは)その辺で、まだ差がある。

 とにかく、今のプレーを続けていくことがすごく大事。続けていくことで、波がありながらも、少しずつ向上していけると思う。先週できなかったことが今週できるようになったのも、やるべきことを継続してきたから。今は練習場と試合と同じようにできている。それを続けていきたい。もちろんまだ、修正するところはある。向上していかないといけないところもある。またしっかり準備をして、次の試合に臨みたい」

 好調の松山英樹と同様、これまでとは明らかに違うゴルフを見せている石川。パットが決まり出したら、優勝争いに間違いなく加わっていけるはずだ。日本勢期待のふたりが、頂点を争う日がまもなく訪れるかもしれない。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
text by Sportiva