今や国産時計の品質、仕上げ、信頼感はスイス製品を凌駕する勢い。とくに40万円台クラスの機械式ウオッチは、スイスの同価格帯ではまず実現できない洗練の作りを見せています。そこで、人気時計3モデルをピックアップ。今回は特に外装についてレビューします。

 

ミナセ ヒズ ファイブ ウィンドウズ

ケース平面を輝かせつつ角を残した絶妙な仕上げ
熟練職人の高度な技術を必要とするザラツ研磨を施したケース。歪みのない平面を強調しつつ、エッジがしっかりと立った理想的なプロポーションです。ポリッシュ部は光の当たる角度によって黒光りする最高級の鏡面仕上げが見られます。

↑コマを裏側から固定したブレス。すっきりとした外観です

 

↑職人の経験とセンスがモノをいうザラツ研磨の工程です

 

↑Ref.VM03-M03SB/49万6800円

ムーブメント・文字盤・インデックスが三位一体となったケースインケース構造を採用。その立体感あふれる造形美を風防、ケース裏、側面に配した5つの窓から鑑賞することができます。

 

天賞堂オリジナルウォッチヒストリカルクロノグラフ

立体感あふれる作りは手間とコストをかけた証
インダイアルをプリントデザインにしたことで、植字したアラビア数字インデックスの立体感を上手く際立たせました。ブルースチール針は深みのある色合いを湛えており、丁寧にポリッシュされていることがわかります。

↑Ref.HTR02SS・LE/37万8000円

銀座で135年以上続く老舗正規店「天賞堂」が手がけるオリジナルブランド。本機は同店の倉庫から発見された1920年代の懐中時計の文字盤に着想を得てデザインしたクロノグラフです。

 

グランドセイコー メカニカル自動巻き 3 デイズ

インデックスの輝きは他社と一線を画す美しさ
ダイヤモンドカッターで磨き上げ、キラキラとした輝きを生み出したインデックスと時分針。手間と時間をかけた立体感あふれる多面体はわずかな光をも反射させます。美しさと機能性が同居する仕上げです。

↑ケースの仕上げは、ザラツ研磨による超鏡面地とヘアライン地を使い分け、陰影を強調させました。

 

↑Ref.SBGR053/43万2000円

セイコーが自ら定義するデザイン文法「セイコースタイル」で時代を超えても愛される外装を主張。搭載Cal.9S65は、MEMS製法による脱進機と特殊素材によるヒゲゼンマイで精度を高めました。

 

高度なザラツ研磨を至る箇所に施すミナセ

外装仕上げの下地処理として 施されるザラツ研磨は、美しい 面を生み出すための加工技術。 ミナセは職人の長年の経験が必要とされるこの難度の高い技術を最も得意とします。角を落とさずに歪みのない面を作り上げ、 光り輝く外装に作り上げるのです。一般的には鏡面部分だけに適用されますが、サテン地にも使用。さらには面積の小さいインデックスにも施すというから、細部の仕上げに対するこだわりには感服です。
一方、グランドセイコーは独自のデザイン文法に注目です。特にダイヤモンドで多面体カットしたインデックスと時分針は特筆もので、キラッと煌めく輝きには見ていて惚れぼれしてしまうほど。立体的な文字盤デザインは膨大なコストがかかるが、それにあえて挑んだ天賞堂も評価したいですね。