旧正月を前にした先月26日、脱北者の夫が妻を殺害後に自殺を図る事件が発生した。

韓国の京郷新聞によると、26日午後11時頃、慶尚北道(キョンサンブクト)亀尾(クミ)市のマンションで、夫のKさん(48歳)と妻のNさん(40歳)が倒れているのを、息子のDさん(17歳)が発見し、通報した。2人は救急車で病院に運ばれたが、Nさんは死亡し、Kさんは重態だ。

Dさんは「居間から変な声が聞こえたので覗いてみたところ、母は倒れていて、父は嘔吐していた」と証言した。

警察は当初、2人が毒物を飲んで自殺を図ったものと見ていたが、司法解剖の結果、Nさんの死因は手で首を絞められたことによる窒息死と判明した。Dさんは、Nさんを殺害後、毒物を飲んだものと思われる。

動機は明らかになっていないが、脱北して韓国に入国したものの社会に適応できず、夫婦喧嘩が絶えなかったという。

もともと自殺率が世界的に高い韓国だが、脱北者の自殺率はさらに高い。

2012年10月に行われた韓国国会の外交通商統一委員会で、民主統合党(当時)のパク・ピョンソク議員は「韓国に定住する脱北者2万10人(当時)のうち、0.09%にあたる22人の死因が自殺」「韓国全体の自殺率0.03%(10万人中31.7人)の3倍に達する」と述べている。

また、過去10年のハナ院(脱北者教育施設)内の病院の治療件数を見ると、2番目に多いのは精神科で、全体の22%を占めたことも明らかにした。

脱北者の自殺率が高い背景についてパク議員は、韓国社会への適応がうまくいっていないことと、様々な危険を乗り越えて韓国にやって来ただけあり、多くのトラウマを抱えていることを挙げた。そして、安定した定住のためにはメンタルカウンセリング・プログラムが必要だと述べた。

与党セヌリ党のキム・ヨンウ議員は、脱北者295人を対象に行なった調査で、自殺衝動を「ときどき感じる」「頻繁に感じる」と答えた人が全体の55.2%に達したと明らかにした。

これに対して柳佑益(ユ・ウイク)統一相(当時)は「統計が正確なものか確認できないが、自殺率が非常に高いことは事実」と述べ、予算を確保し、カウンセラーを増員すると述べている。

しかし、その後の自殺者数は2013年1人、2014年2人、2015年9人、2016年は8月までに4人と増加傾向を示している。