発売から約1カ月で約4万8000台を受注するという好調なスタートを切ったトヨタC-HR。

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男性ユーザー(名義含む)が約8割、20〜30代が約3割を占めるそうで、若い男性にも支持されているということがうかがえますから、SUVにおけるスタイリングの重要性がさらに増しそうでし、このまま好調が続ければ他メーカーにも影響を与えそう。

C-HRのプレス向け試乗会でお話を伺ったのが、ベルギーのザベンテムにあるTOYOTA MOTOR EUROPE NV/SAの伊澤和彦氏。肩書きはVehicle Designのディレクターで、C-HRのプレス試乗会のため一時帰国されました。

伊澤氏によると、C-HRのエクステリアデザインはグローバル開発ということで、アメリカのキャルティデザイン、欧州のEDスクエア、そして日本の3拠点で行ったそうです。

企画は日本の本社からスタートし、デザインは各拠点からのコンペ(競作)、外観はキャルティデザイン(アメリカ)、内装はEDスクエア(欧州)案を採用。オリジナルの案(アイディア)が決まると、それをもとに本社(日本)で作り上げられました。

欧州では日産のキャシュカイやヴェゼルなどがライバルになりそうですが、伊澤氏によると、こうした競合相手に対して個性や存在感を示したい、「どれとも被らない」、「どれとも似ていない」という想いを貫いて仕上げられたそうです。

また、コンパクトハッチバックに乗っている人でも「キビキビ感をもってクロスオーバーに乗れる」というイメージを念頭に置き、ユーティリティは追いかけずに、デザインや走りを大切にするという面もあったとのこと。

実際、C-HRは外観から想像するよりも後席のシートサイズや空間自体は広く、荷室もまずまずの容量(318L〜1112L)が確保されています。

この点に関しては、主査の古場博之氏が作りたいクルマを実現するには、ヴィッツというBセグメントをベースとするのではなく、Cセグメントの新しいプラットフォーム(TNGA)を採用する方がいいという結論から、現在のC-HRというモデルとして具現化。結果的に、後席も荷室も実用性が確保されたことになります。

私はC-HRをみていると、シティ派SUVの嚆矢といえる(とらえ方はいくつかあるにしても元祖といえるモデルの一台)初代RAV4を思い起こします。初代RAV4が開発されていたのは、入社してすぐくらいだったそうで(1989年入社。愛車はMR2、MR-S)、伊澤氏も「凄く面白い」と思ったそうです。

C-HRはRAV4の後継モデルではないそうですし、初代RAV4のデザインや存在感をとくに意識したこともないそう。それでも、C-HRではスピード感、キビキビ感を強調することで、クロスオーバーの力強さ、質感を強調。初代RAV4のインパクトを超えたかどうかはユーザーなどが判断するものでしょうが、狙いどころのスピード感、キビキビ感は確かに十分に感じさせます。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

トヨタC-HRのデザインをまとめたディレクターが語った「想い」とは?(http://clicccar.com/2017/02/01/441677/)