アスガー・ファルハディ監督

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本年度のアカデミー賞において外国語映画賞の最有力候補である『セールスマン』を手掛けたアスガー・ファルハディ監督が、ドナルド・トランプ新大統領の政策により米国に入国できない恐れがあることが分かった。米Varietyなどが報じている。

現地時間の27日(金)、トランプ大統領は"米国への難民入国を120日間停止する"、"シリアからの難民は無期限で入国禁止とする"、"イスラム教徒が大多数を占めるイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7カ国の国民へのビザ発給を90日間停止する"といった大統領令に署名した。このため、イラン出身であるファルハディ監督は2月26日に開催されるアカデミー賞授賞式に出席できない可能性が出てきた。それに対し、29日(日)、ファルハディ監督は、たとえ例外的に米国への入国が許可されたとしても、授賞式には出席しないことを米New York Timesに声明を掲載。

ファルハディ監督は2011年の『別離』(日本公開は2012年)で世界中の映画賞を総なめにし、アカデミー賞でも外国語映画賞に輝いた。そして再び同賞に返り咲く作品となった『セールスマン』は、アーサー・ミラーの舞台『セールスマンの死』で主演を務めている若い夫婦を中心に描くスリラーだ。主演のイラン人女優タラネ・アリシュスティは、このほど発令された大統領令への抗議のため、アカデミー賞授賞式をボイコットする意思を表明している。

過去にも2013年にドキュメンタリー映画『壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び』でパレスチナ人として初めてオスカーにノミネートされたイマード・ブルナート監督が、授賞式に出席するためロサンゼルス国際空港に降り立ったところ、入国審査で不当な扱いを受け、家族とともに一一時拘束されるという事態が起きていた。

第89回アカデミー賞授賞式は2月26日(日)、米ABCで放送。『セールスマン』は今年6月に日本でも公開される。(海外ドラマNAVI)