目覚ましい経済発展を遂げて国力が大きく高まった中国。しかし一方で、貧富の差、都市と農村との生活レベルの差などさまざまな格差の拡大を生んだ。発展の恩恵がバランスよく配分されていないことによるものだが、工業技術に対して農業技術も「置いてけぼり」状態のようである。(イメージ写真提供:123RF)

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 目覚ましい経済発展を遂げて国力が大きく高まった中国。しかし一方で、貧富の差、都市と農村との生活レベルの差などさまざまな格差の拡大を生んだ。発展の恩恵がバランスよく配分されていないことによるものだが、工業技術に対して農業技術も「置いてけぼり」状態のようである。

 中国メディア・今日頭条は29日、「わが国の農業技術は、どうしてこんなに遅れているのか」とする記事を掲載した。記事は、生まれてから現在までの20年余りで「故郷の農村には何の変化もないように感じる」としたうえで、依然として古びた農具を用い、人間が種を播き、挿し木をし、肥料を与え、収穫しており「最も新鮮なのは、耕運機ぐらいのものだ」と説明した。

 そして、「都市の産業や電子製品は急速に発展している」とする一方で、「農業の生産組織化ではロシアや米国、日本、ドイツに比べて100年近く遅れている」、「20年経っても身の回りの農業機器がリニューアルされないのに、何をもって中国全体のイノベーションを語るのか」と憤慨している。

 さらに、「どうしてわれわれの弱い部分に多くの人が身を投じず、みんな人気分野や販売、財テクばかり追い求めるのか。われわれは農業を軽く見すぎている。他の国では農家はリスペクトされているのに」とし、農業大国である中国は農村、農業そして農民の住環境の改善を速やかに進めなければならないと論じた。

 記事は「経済が発展している時、われわれは自分の弱点を忘れ、浮ついてしまう。『豊かになりたければ、まず道路を直せ』というから道路を直したはいいが、豊かになるための人材がいなくなってしまった」としている。

 「先富論」に代表される、中国特有の「できるところからやる」という方式はしばしば驚異的な速度で物事を実現させる。しかし程なく、置いてきた部分をどうするかという問題に直面することになる。今、中国はまさにこの段階に入ったと言えるだろう。いくら経済や工業が発展しても、人間の生命を直接支える農業をないがしろにしていいはずがない。真の意味で中国を豊かにするには、農業の大きな発展、進歩が不可欠だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)