2017年1月31日、ホームレスや障害者など約1000人が暮らす韓国の福祉施設「大邱市立希望院」の元院長で神父のペ(64)が、横領と業務上過失致死の容疑でこのほど逮捕された。同施設ではペ以前にも、幹部2人が違法監禁と暴行容疑で、生活指導職員2人が特殊傷害と精神保健法違反容疑で、会計担当職員1人が脅迫の容疑でそれぞれ逮捕されている。1958年、大邱市がホームレスのための施設として設立、聖職者などが一部ボランティアで働いていたという希望院で何があったのか。韓国・中央日報が報じた。

同施設は1980年以降、市から委託を受けた大邱天主教維持財団が運営してきた。公式ホームページには「喜びあふれる希望院、常に祈る希望院…」とうたわれているが、実情は「喜び」とは程遠い。同院では2010年1月〜16年8月までの6年7カ月の間に309人(年平均46.9人)の入所者が死亡している。韓国の一般の7.5倍にもなる高い死亡率も問題だが、より大きな問題は、死因が不明なままの不審死が相当数に上ることだ。昨年11月の国家人権委員会の調査では、少なくとも29人の死因に疑問が残るとされた。窒息や外傷などによるとみられる死亡事件が「病死」として処理され、警察の捜査も行われていなかった。

人権委の発表や検察の捜査記録を見ると、ペが院長を務めた期間の衝撃的な人権侵害の一端が見て取れる。食事を床に投げ入所者に拾って食べさせる、入所者同士に食事の奪い合いをさせる、精神疾患のある入所者をおもちゃの銃で撃つ、知的障害のある入所者の腕を縛り付けるなど。「心理安定室」と呼ばれる部屋に罰として入所者を閉じ込めることもあった。10年以降、118人がここに入れられ、28日間も閉じ込められた人もいた。

事件を追及してきた市民団体のメンバーは「これまで明らかになったことだけを見ても、希望院が入所者を家畜のように扱ってきたと分かる」とし、ようやく逮捕されたペを含む責任者への厳罰を訴えている。

この報道に韓国のネットユーザーからは「希望院じゃなくて地獄院だな。職員は悪魔だ」「そこまでの罪をどう償うつもりだ?」「聖職者までがこんなことをするとは…。信じられる宗教家がどこにもいない」「施設を閉鎖すべきだ」といったコメントが寄せられている。

同施設や元幹部らを批判する声が目立つ中、「習慣として昔から行われてきたことだから問題ないと思ってたんだろう」「精神科の病院や施設は全部調べた方がいい。ほかにも出てくるはずだ」などの指摘もあった。(翻訳・編集/吉金)