やるべき仕事は変わらないのに、いつの間にか新たにタスクを作り出すのが人間の習性。特に日本は文化として職場がブラック化しやすい面がある。残業時間削減そのものを目標にするよりはは、知的生産性を上げることを意識することが、問題解決の近道である

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日本には「ブラック職場」を
促進する文化がある!?

 以前、某有名外資系コンサルタント事務所に勤め始めた友人が、その忙しさに愚痴を言っていた。

「だって、夜11時くらいにやっと帰れるかなと思ってたら、電話帳くらいの厚さの資料持ってきて、『明日7時の早朝会議の資料です。目を通しておいてください』って、無理だろそんなの!しかもその資料、全部英語!」

「で、そんなの無理だと思って、テキトーに目を通して、会議に出て話してたら、上司から『そんなこと資料に書いてあんだろ!お前読んできたのか!』って怒られた(笑)。その上司も俺と同じ時に資料もらったはずなんだけど、なんで読めてんだろう?」

 その友人の働いていた会社は、名うてのエリートが集まることで有名だった。それ以上に、仕事のきつさでも有名で、だいたいの社員は3〜5年勤めたら転職したり、起業したりしていた。

 友人も5年ほど勤めてから、別のコンサルタント会社に転職したが、それまではあまりの激務に身体を壊して入院したり、ストレスで円形脱毛症になったりしたという。

 面白かったのは、世界中にあるそのコンサルタント事務所の中で、そんなに「ブラック」なのは日本とドイツだけだったという。本家本元の米国事務所は、夜7時過ぎには誰もいなくて連絡がとれないと話していた。

 つまり日本の職場には、文化として「ブラック化」を促進する土壌がありそうだ。だがそんな土壌のない西洋でも同じことが起こっていた。

 英国の政治学者であるシリル・パーキンソンは、大英帝国の官僚制を詳しく分析した結果、なすべき仕事の量に関係なく、官僚の仕事は毎年5〜7%増加したことを報告している。そしてその原因は主に2つあり、(1)官僚は部下を多く持ちたがること、(2)官僚は相互に仕事を作りあうこと――だとしている。

 このようにホワイトカラーの仕事量は自然と増える傾向にある。それに日本の文化的要素が加わると、職場のブラック化がどんどん加速することになる。

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